全返答にYES!映画「イエスマン」をインド旅で実践したらヤバイ展開になった話


イエスマン〜YESは人生のパスワード

インドを旅してかれこれ3週間。
これまで自分が体験したインドならではの体験は…

  • 電車が26時間の遅延。
  • 牛が角を立てて襲ってくる。
  • 乗っていたリクシャがバイク事故を誘発。
  • 向かう街が砂嵐で40人死亡。
  • 爆弾テロのあった街を知らずして訪れる(観光客皆無)
  • 砂漠に野宿して砂嵐に巻き込まれる。

それくらいで、インドを旅する人には絶対、何か1つや2つ旅のぶっ飛びおもしろエピソードがあるはずなのに、まだまだ本当のインドを体験していないように感じました

インドの路地裏

渡航前の事前情報からインドで自分自身が警戒しまくっていた事に原因があると感じました。

そこで思い出したのが、
映画「イエスマン”YES”は人生のパスワード」

「そうだ!ここは思い切って、インド人の返答に全てYESで答えよう!」

絶対に想像できない面白い経験ができるに違いない!
そう確信した僕は行動に出ました。

この記事では僕がインドでイエスマンを実践したことで、連鎖的に起きた実話をご紹介します。

映画「イエスマン”YES”は人生のパスワード」とは?

ネタバレにならない程度に映画のあらすじを説明します。

実話を元にしたストーリーで、面倒くさがり屋の銀行員・カールは、プライベートや仕事(個人融資の審査)など全て「NO」と言い続ける毎日を過ごしていました。
その結果、友人からは見放され、昇進も叶わず、孤独で最低な人生へと突き進んでいるように見えました。

そんなカールはあるキッカケで、友人から怪しいセミナーに呼ばれ一緒に参加することなりました。
大きなセミナー会場には、講師(教祖)の熱狂的な信者で溢れかえっていました。

セミナーの講師は「決断を迫られた時は全ての返答にYESと答えれば人生が全て変わる」と熱弁をふるい、カールはその場でイエスマンになる誓いを半強制的にたてられました。

その日から、カールはホームレスや老婆からの無茶難題な要求、個人融資で来た顧客まで全てにYESと返答し、人生が激変していくのでした。

もちろん、最初は散々な目にもあうのですが、それらが折り重なるように幸運も運んでくるという展開がとても面白いです。

インドでの最初の「YES!」からすでに運命が変わった。

ジョードプル

イエスマンを実践したのはインドのジョイプールという砂漠の街からです。
ジョイプール滞在中だけは全ての決断をYESで応えようと誓いを立てました。

ジョイプール駅に降りると、早速3秒でオートリクシャ(三輪自動車)のドライバーが声をかけてきました。

ドライバー「ハイ!ジャパン?コリア?トゥクトゥク!どこいく?」

普通なら無視するのですが、無視せずホテル名を告げると、すかさず「OK!乗れ!」と言ってきます。
金額を聞くと「40ルピー」と返答。
地球の歩き方の相場価格だったので、こちらの返答はもちろん「YES!」

ドライバーはかなりおしゃべりなインド人。

「どの国から来たの?」
「あなたネパール人に見えるよ」
「ジョイプールは良いところだよ。バラナシやアグラは最悪だよね」
「あなたがハッピーなら私もハッピー」
「私たち友達ね!」

などマシンガントークが続きます。
なんとなくお互いの距離感が縮まった辺りで…

ドライバー「明日どこいくの?私が案内するよ!」

と嫌なお誘いが…

今までなら、当然「No Thank you!」で突っぱねていましたが、イエスマンの返答は常に快く
即返答で「YES!」

半ばクレイジーな旅人を演出し、一応金額(半日が350ルピーで1日は500ルピー)だけ聞いて、

「じゃ半日でお願い」と伝えて翌朝にホテル前に来てもらうことになりました。

悪夢の一日貸切運転がスタート

リクシャのドライバー(写真は参考で、担当したドライバーではありません)

翌朝、約束した9:30にそのドライバーは時間通りホテル前にいました。
しかし、ドライバーの他にもう1人違う男がいました。
この時点で直感的に違和感を感じました。

その男はドライバーの友人だそうで、一緒にチャイティーを飲もうと行ってきました。

絶対に「NO」とは言えないので、もちろん…「YES!」

その男は明日から家族の結婚式があるということでした。
そして今夜、自分の家族と一緒に夕食をとってほしいとお願いをされました。

初めて会って10分も経たないのに、何の目的で家族の夕食に招くのか不思議でした。
しかし、インド人の家庭の夕食というのは貴重な経験になるなと興味があったので少しワクワクしながら「YES」と返答。

カフェに入り、まったりと3人でチャイティーを飲みます。
個人的には午前中に出発して、涼しい時間帯に観光を終わらせたいのに、ドライバーに含めて全く動こうとしません…笑
この時点で、主導権は向こう側にあることを悟りました。

アンベール城(Amer Fort)の壮大さに感激しつつも、ガイドじゃない人から勝手にガイドをされる

アンベール城

チャイティーを飲み終わると、ドライバーの友人とは分かれて、いよいよジャイプール観光のスタートです。

ドライバーにお願いしたスポットは4カ所。

  • アンベール城(Amer Fort)
  • ジャイガル城(Jaigarh Fort)
  • ジャル マハル(Jal Mahal)
  • ハワー マハル(Hawa Mahal)

最初に向かったのが市内から15kmほどの距離にあるアンベール城とジャイガル城。
乾燥した岩山の上に作られた要塞です。

アンベール城

アンベール城内部

アンベール城へ続く道

山の上に要塞が築かれており、しかも万里の長城のように山を縫うように城壁が取り囲んでいます。
その壮観な眺めはタージマハル以上のスケールの大きさがありました。
「す、すげぇ」と自然と口から発してしまうほど…

一気にテンションが上がり、ドライバーと別かれて内部に向かいます。
アンベール城の目の前には大きな池があり、そこから山頂を見るとジャイガル城まで続いているのが分かります。

入場料

  • アンベール城:500ルピー(820円)
  • ジャイガル城:100ルピー(160円)

アンベール城の入り口に降ろされると、すかさず1人のインド人がこちらにやってきます。

アンベール城の入り口

「ハイ!ジャパニーズ?ガイド!ベリーチープ!200ルピー」

完全にイエスマンになっているので、無視せず、彼にガイドをお願いしました。

アンベール城内部

しかし結果としてこれは大正解。
内部はまさに迷路のようで、ガイドがいなければ、到底行けないようなエリアもありました。

「おぉ!やっぱりイエスマンって人生のパスワードだな!」と少しテンションがあがりました。

勝手にガイドをする清掃員

一旦そのガイドが終わると、途中でほうきをもった清掃員が勝手にガイドをしだしました…笑
全く英語を話せない清掃員はとにかく、無言でボディランゲージでこっちに来い!ここを見ろ!みたいな感じで頼んでもいないガイドを笑顔もなくしてきます。

厄介なのが一方通路なので、その男を無視できないこと。
無視しても、あたかも清掃員が案内しているような感じになり、まぁ色々教えてくれるので、愛想返事をしていると、どんどん抜け出せなくなる構図です…笑

水汲み場のコウモリ

結果、マハラジャの寝室やら、コウモリが沢山いる不気味な水汲み場などに連れて行かれました。
案の定、最後はチップを要求しててきたので、気持ち程度の金額を渡そうと思って財布を見たら、100ルピー札(160円)と500ルピー札(800円)しかありませんでした。

たった10分程度のガイドに100ルピーは高すぎる…
コインが何枚かあったので、それを渡すと、ちょっと不機嫌そうに受け取って彼は去っていきました。

インドの国民性としては、基本お金が好きです。
たぶんお金を稼ぐことに一生懸命だからこそ旅行者とのトラブル話が尽きないのかもしれません。

その後も軍服(?)のようなものを来たセキュリティスタッフからも勝手に案内され、写真を撮られたりして、チップをせがまれたりと色々ありました。

とにかく、会う人全ての話を聞き、「YES!」で答える辛さはなかなかのものです…笑

山道を登ってジャイガル城に向かいます。

ジャイガル城からの眺め

ジャイガル城からの眺め

下から見るほど遠くはなく、歩いて20分くらいで到着しました。
頂上からの眺めは世界の絶景レベルの大パノラマで感動しました。

ここに来る途中何人ものインド人に「一緒に写真を撮ってくれ!」と頼まれました。
もちろん、その全ての要望に「YES!」
僕は東インド、北インド、西インドの8都市を旅しましたが、ジョイプールやジョードプルの人たちは、とにかく外人と一緒にセルフィーをするのが大好きです。

ジャイガル城のガイド

ジャイガル城の内部に入ると、ここにも係の人がガイドをすると言ってきたのでお願いをしました。
いったい、今日は何人にガイドをお願いしているんだろうと思ってしまいます…笑

ドライバーが勝手にビールを飲みだす

ビール

ドライバーが待つ駐車場まで帰ると、すかさず

「ビールが飲みたいだろ?日本人はみんなビールが好きだからな!」

てな感じで200ドルを請求してきたので渡すと売店に寄ってビールを買ってきました。
なんと、自分の分もちゃっかり買ってきて飲みだす始末…笑

「おいおい、飲酒運転はマズイよ!」

「大丈夫だ、俺はいつも酒を飲んで運転しているし、ウィスキーを飲んだ後だって運転できる。インドはこれが普通だ!」

ドライバーは全く平気そうに突っぱねてきます。

こんなハチャメチャな交通マナーだから、インドは年間に17万人も交通事故死亡者を出すのだろうと思ってしまいました。

エレファントビレッジへ

エレファントビレッジ

ドライバーはエレファントビレッジがおすすめだからそこに行くぞと言ってきたので、断ることもできず、そのまま直行。

ちなみに当初の約束では半日観光でお願いしていたので、1日観光になると料金が倍近くになる計算。
寄り道すれば、その分ドライバーは儲かる仕組みです。
全くこちらの要望無視です!笑

エレファントビレッジは像との色々なアクティビティ(スキンシップ、写真撮影、鼻でリフトアップ、ペイント、サファリツアーなど)が楽しめる場所です。

エレファントビレッジに到着しても、そこには観光客の姿は一切見当たりませんでした。
到着するやいなや、太ったマネージャーがやってきて、アクティビティの説明がはじまります。

フルコースは4,500ルピー(7,300円)と非常に高い…。
しかし、説得するようにけしかけてくる…。

「お金は重要じゃない体験に価値があるんだ!それを分かっていない日本人は本当に多い!」
「インドの像はミャンマーやラオスの像とは違う!」
「多くの日本人がここで像体験をしている」

4,500ルピーもの現金は持っていなかったので、とりあえずNOとは伝えず、寄付という形でスキンシップだけさせてもらいました。

像の皮は思ったより固くて毛が硬かったです。
しかし、とてもいい子で全く興奮もしません。
餌やり体験もできて、像と少しだけ心が通じたような気がして癒やされました。

象使いのち○こはデカイ!&謎のお誘い

像

そんな中、周りにいた象使いたちは僕が日本人だと知ると「ち○こ」「ち○こ」と連呼してきました。
(一体こんな言葉を誰が教え込んだのか…笑)

「日本人のち○こは小さい」
「インド人のち○こはデカイ」
「見てみたいか?」

と言われたのでNOと返答することを禁じてるので「YES!」と返答。

一番若い象使いが、おもむろに草むらの方に手招きをして、そっと見せてくれました。
確かに黒くて像の鼻のように立派!!

その子はガールフレンドが10人、ボーイフレンドが1人いると言ってました。
インドではこれが普通なのか分からないので戸惑いました。
ただ、モテそうな雰囲気の子ではあったので、あながち嘘でもなさそう。。

象使い達の元に帰ってくると、

「Try ち○こ?」

と意味不明なことを言ってくる。

「Excuse me?」と苦笑いで聞き返すと今度は、変なボディランゲージをしてきます。
そのアクションは性的なものでした。
詳細は省略します…笑

「Try ち○こ?」

と、さらに真顔で聞いてきたので、冗談で言っている感じがしませんでした…。

ここで仮に「YES」を言ったら大変なことになる恐れがある!
まさに、映画「イエスマン」の序盤のシーンにあった老婆の誘いと同じシチュエーションに苦笑いするしかありませんでした。

さすがに、ここは反射的に「No Thank you!」と答えてしまいました…。

「ついにYESの誓いを破ったのか…きっとこの後、映画同様に天罰がくだるのだろう…不安だ…」

そう思いながら次の目的地に向かいます。

マハラジャの別荘「ジャル・マハル」をさくっと観光

ジャル マハル

次に向かったのは道中にもあった湖に浮かぶ宮殿「ジャル マハル」
特に入場料もかからず、外から見るだけの観光スポットです。
水上の宮殿は幻想的でとても綺麗でした。

この周辺は観光客が多いので、それ目当てで商売をしてる人も多く、ここでもアイスなど色々断れずに買ってしまいました。

ついにドライバーの本性が明らかになる!

ドライバーの元に戻るとリキシャを走らせながら言ってきました。

「ジャイプールは宝石の産地だから、インドで一番安く購入できる街だ。
宝石の加工工場があるから見に行こう!」

確かに宝石が加工されているところはみてみたい…。
返答に迷う余地なく「YES」と答え、連れて行ってもらいました。

工場というよりは雑居ビルの前に到着すると、中から1人の男が出てきました。
ただの見学のつもりで来たのに、ものすごく丁寧に対応され、逆にそれが少し怖かったです。

宝石アクセサリーの加工場

宝石アクセサリーの加工場

地下の加工場を簡単に案内してくれました。
数名の男性が宝石や石を研磨したり、指輪やブレスレットなどに加工しています。

作業現場をサクッと見学してからが本番でした。
上の階に招待されると、ズラリと宝石や高級そうな石がショーケースの中に陳列されてありました。

宝石アクセサリーショップ

ここは工場ではなく、宝石を売っているお店でした…笑

宝石店の男は、おもむろにシルバーアクセサリーが入った袋をテーブルに無造作に出して、「Try!Try!」と勧めてきます。
別の男性スタッフからチャイティーを出され、完全に逃れられない接待プレイが始まりました。

インド旅で安全に過ごすために、いくつかルールがあります。

そのうちの一つは”素性の知らない人から出されたものは食べない飲まない”

理由は睡眠薬などを混入させ、身ぐるみ剥がして路上にポイするケースがあるからです。

しかし、男からは遠慮なくどうぞ飲んでと促されるので、

(もうここまで来たら、とことんYESで突き通そう!)
と思い、思い切って全部飲み干しました。

今日は40度超えの屋外を1日中、山登りをしたりして、疲れていたのでこの場から早く退出したい気持ちもありました。
(警察の取り調べで、白状すれば楽になるという感覚はこんな感じなのだろうか…)

シルバーアクセサリーには全く興味がないので、どうせ買うなら、母親へのお土産で買っていこうと腹をくくりました。

ピンクの石が埋め込まれたブレスレットが綺麗だったので、値段を聞くと1,100ルピー(1,760円)とのこと。
正直この手のモノの相場観は一切分かりません…。
しかし、インドで価格交渉せずに買うこともないので、とりあえず500ルピーで価格交渉すると…

「ノー!ノー!1,000ルピー」
「じゃ600ルピー」

などと価格のせめぎあいをしながら最終的に800ルピー(1,280円)で交渉成立。
正直、価値の分からないモノに1,280円を出すのは少し抵抗感がありましたが、お土産を買えたことは良かったです。

参考としてインドの物価感覚としてはこんな感じです。

  • 安いドミトリーは1泊200円台
  • ホテルのレストランのタリー(カレーのセットメニュー)でも300円台

1,280円がいかにインドの中で良い値段なのか分かります。

地球の歩き方のトラブル事例のフルコンボを決められる

買い物が終わると、ドライバーはリキシャを走らせながら…

「日本では仕事中にどんな服を着るんだ?」

「基本的にはスーツだ」

「何着持っている?」

「3着かな」

「そうか、じゃインドは安くスーツが作れるから見るだけ見に行こう!」

(まんまとやられた…、しかもまた見るだけという殺し文句…笑)

オーダーメイドスーツショップ

ということで、宝石店の次はオーダーメイドスーツの店に連れて行かました。
ここまで来ると、地球の歩き方に載っているようなトラブル事例のフルコンボを決められている状態が逆に面白かったです。

店に到着すると、お店のオーナーらしき男が片言の日本語で話しかけてきました。

「や〜元気?日本のどこから来たの?」

「新潟」

その男はおもむろに電卓を取り出し、300,000円と弾き出す。

「日本でスーツ作るとこれくらいするね。でもインドだとこれくらい。」

30,000円と表示された電卓をこちらに見せてくる。

オーダーメイドスーツショップ

正直、お店の外観や内装からその高級感は微塵も感じない…。
とりあえず見るだけという当初の約束通り見るだけで、特に激しいセールスをかけられることもなく、お店を後にすることができました。

しかし、それは僕の身なりから、とてもスーツを買えそうな奴には見えなかったのが理由かもしれない…。
海外ではボロボロで汚れた服を着ている方が、強盗などに会う可能性が低いのでは?と少し良い気付きも得ました。

朝の男とバトル勃発

その後、朝の男と合流しました。

「おばあちゃんが病気で病院に行ったから家族での夕食はなくなったので、その代わりに、レストランを紹介するから一緒に行こう!
高くないローカルプライスの俺の知っているお店に招待する」

自分も旅が2ヶ月近くにもなり、ある程度人を見る目が養われてきました。
この男は元々家族の食事会など最初からなく、1人で旅をしている旅人の心情を付いた上手い誘い文句でおびき寄せたのだと直感で分かりました。

しかし、この後にどんな展開が待っているのか?
全く興味がない訳ではなかったので、「YES!」で突き通しました。

「割り勘なら行っても良いけど、1人予算いくら?」

そう伝えると、男は「オーケー、オーケー、ベリーチープ」と終始一点張り。

金銭トラブルが目に見えていたので、さらに問い詰めると…

「1人300ルピー(480円)くらいだ、500ルピー(810円)もかからない」

到着したのは、観光客など絶対にこないようなローカルエリアのレストラン。
二階に案内されると、誰もいない。
夜19:30頃で誰もいないレストランはあまり良いイメージはない。
男はエッグカレーやタンドリーチキンなどを手際よく頼み、ライスやチャパティなどが運ばれてくる。
お店に行く前にウォッカを事前に買っておいたようで、それを水割りにして飲む。

なぜか、2人は一切料理に手を付けない。

インド人と食べた夕食

「さぁ食べて食べて」

と、自分の目の前に料理が置かれる。
お腹も減っていたし、断れないので少し警戒しながらも食べる。

味は美味しいけど、辛すぎる。
今までインドで食べたカレーの中で一番辛い。

他にも皿が運ばれ、彼らもようやく食べ始める。

食べながら、怪しいインド人は、しきりに自分は善良な人だと自分にアピールしてくる。
また、”お金は重要ではない論”を何度も説いてくる。

一日お世話になったドライバーならまだしも、何の接点もない初対面の男が夕飯の時だけ来て、自分を説得しているような感じがしてとても違和感があった。

しかも怒り口調で、

「もう金の話は二度とするな!」

みたいな事まで言われ、

(お金の話をずっとしているのはお前の方だ!)と、内心イライラしてきた。

さらにドライバーからは…

「明日はどこにいく?この街からは砂漠に行ける。
その経験とお金、どっちが価値があると思うか?
俺とおまえは友達だから3,000ルピー(4,870円)で連れてってやるよ。」

「砂漠!!!?」

このな奴らに砂漠に連れて行かれたら、完全死亡フラグだなと、ここで今日2回目の「No」を言ってしまいました。

その後、怪しい男からは

「じゃ明日の朝食も一緒に食べよう」

しかしその誘い断り、

「では夕食はどうだ?」

と言われたのでそれも断りました。
もうYESを言い続けるのが我慢の限界でした。

騙す気満々なのが分かったしまったので、もう一緒に行動したくない…。
理由はこの1つに尽きます。

そうしたら、その怪しい男から

「なぜいつもNOばかりなのか!?」

とキレられました。

こちらも、これまでの耐えてきた色々なストレスが爆発してしまい…

「俺は、この街にきてから、どんな要望にだってずっとYESで応えてきたし、4時間で切り上げようと思ったのに、宝石店やらスーツ店などに連れ回されてもう12時間も経っている」

しばらく口論となり、食事会もそこで終了しました。

なぜか会計をする前に

「俺は800ルピーだすからお前は550ルピーを出せ」

と男が言ってきました。
色々ツッコミどころありすぎて、一々問いただすのも馬鹿らしくなり、手切れ金として500ルピー渡しました。

正直、この店のこの量で合計1,300ルピーもする訳がない…。
帰り際にメニューの価格表をみたら、やはり1皿は70ルピー程度で、合計しても500ルピーいくかどうか。

人に騙されても良いと思いながら、イエスマンを演じてきましたが、騙してくる人によっては納得できない事もあります。
その日の夜は1日の出来事を思い返すと寝られませんでした。

インドで映画「イエスマン”YES”は人生のパスワード」を実践してみて良かった事

とにかくストレスが半端なかったインド人の返答に全て「YES」で突き通すイエスマンの実践。

しかし、この半強制的な「YES」は、良かったことも沢山ありました。
一番は自分のインドでの過度な警戒心がなくなったことです。
これまでは、なるべくトラブルに巻き込まれないように、最大限の警戒心をもってインドを旅していました。

しかし、意外と知らない人と飯を食べようが、後をついて行こうが、宝石店に案内されようが、別に命まで奪うことはなく、単純に相手は観光客からお金が欲しいだけなんだと分かりました。

インドを旅していると、本当に多くの知らない人から声をかけられます。
その中には悪人ではない単純に親切心から声をかけてくれる人もいます。
そういう人達の声掛けを悪人のごとく対応するのはコミュニケーションの機会を自ら潰すことになります。

イエスマンを実践してみて、まずは話しかけてくる人に耳を傾ける事ができるようになりました。
さらにインド人とのコミュニケーションにも慣れてきて、ローカルの人々の写真を撮りたい時などは、こちらから挨拶や雑談が自然にできるようになった気がします。

本当に不思議なもんで、自分が傷つく事を恐れてコミュニケーションを避けていると、いつまで経っても相手を理解できないし、なんとも味気ない時間を過ごすことになります。
徹底的に相手の要望を聞いて、「YES」で突き通すことで、今まで知りえなかった世界や相手の本質が見えてくるのだと気付きました。

あとは、イエスマンは確実に良いことも悪いことも舞い込んできます。
特に多くの出会いを生むのは映画同様だと感じました。

何もない完璧な旅よりも、良いことも悪いこともある変化に富んだ旅の方が楽しいのは言うまでもありません。

映画のセリフであったように、イエスマンになれば毎日飽きずに過ごせるのは本当です。

イエスマンのその後…

実はこの話には続きがありまして、その後、違う街でタール砂漠(キャメルサファリ)に行きました。

インドのキャメルサファリ

砂漠の星

砂漠から見上げる星空は一生忘れられないほど美しい光景でした。

もしあの時、あのドライバーが「砂漠に行こう!」などと言ってこなければ、インドで砂漠に行くことを思いつきませんでした。
散々な目にあいつつも確かに幸福も運んでくるのがYESという魔法の言葉なのかもしれません。


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