【本要約】悩まない人の考え方 1回目〜問題を問題でなくす思考アルゴリズム
ベストセラー書籍「限りある時間の使い方」では、人生は80歳を寿命とすると、たった4,000週間しかなく、本当にやりたいことを万年準備していたり、計画だけしていて先延ばしにしていると、あっという間に時間が過ぎ去ってしまうと警鐘を鳴らしています。
実は何かを決断できなかったり、悩んでいる時間というのは日常生活の中で非常に多く、膨大な時間と脳のエネルギーを消耗しています。
「悩むだけ無駄」というように、悩む時間を最小限にすることで、圧倒的なスピードをもって決断ができます。
多くの判断をしなくてはいけない、マネージャーや経営者は悩む時間が少なく、意思決定と決断力を兼ね備えています。
今回ご紹介するのは「悩まない人の考え方 ── 1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30」の著者、木下さんはネット通販業界では有名な「北の達人コーポレーション」を一代にして東証プライム上場企業にまで成長させた方です。
ご本人のお話として、人並み外れたスキルや、初対面で人を惹きつけるようなスター性がなかったにも関わらず、ビジネスで成功した要因として「タスク管理能力」と「悩んでいる時間の少なさ」を挙げられています。
「悩んでいる時間」をいかに少なくするかは、人生において仕事でもプライベートでも成功要因の大きな一つです。
本書は仕事にも人生にも非常に役立つ良書で紹介したい内容が沢山あるので、全4回に分けてみました。
今回は1回目として「問題を問題でなくす思考アルゴリズム」についてです。
「悩まない人」の考え方 ── 1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30
この記事の目次
問題を問題でなくす思考アルゴリズム
悩みとは「問題がある」ことではない
まず「うまくいっていない」と「思い通りにいっていない」を区別して考える必要があります。
うまくいかない状態とは、目指すゴールにたどり着けない状態です。
思い通りにいかない状態とは、予定していたルートではゴールにたどり着けない状態です。
世の中は思い通りいかないことだらけで、むしろ9割は思い通りにいかないです。
しかし、それは「うまくいかない」ことではありません。
思い通りにいかなければ、次の一手を粛々と進めることで問題と悩みを切り分けられます。
AプランでダメそうならBプランに切り替えればいいです。
問題は解決しなくてもいい
一般的に問題に対処する方法は3つあります。
- 問題そのものを解決する
- 問題を問題でなくす
- 問題を課題に昇華する
例えばAさんという人が会社で仕事を頑張っても評価が上がらないという問題があった場合。
1の「問題そのものを解決する」は正攻法として、さらに頑張って成果をあげるよう努力する方法です。
2の「問題を問題でなくす」というアプローチは「問題=悪」という前提を捨てて、問題として捉えない思考です。
問題そのものを解決はせず、自分の中から消し去る(解消)することで悩みがなくなります。
例えば、会社から評価されないことを問題や悪いことと捉えなければ悩むことはなくなります。
(仕事は目立たずほどほどで、プライベートの時間を優先するなど)
3の「問題を課題に昇華する」は、問題そのものを解決するのではなく、リフレーミングを使い課題に転換します。
リフレーミングとは物事の枠組みを変え、違う視点から見ることです。
例えば、Aさんは「もっと結果を出さないと評価されない」と思い込んでいたが、実は会社がAさんに求めている領域とは違うところを一生懸命頑張っていたかもしれません。
評価が上がらないという問題を会社の状況を掴むという課題に昇華することができれば具体的な次の一手に着手できます。
悩まない人は「問題そのものを解決」する以外にも、「問題を問題でなくす」と「問題を課題に昇華する」という3つの思考アルゴリズムを持っています。
悩みは他人から生まれない、いつも自分から生まれる
悩まない人は「外部、出来事、事実」にタッチせず「内部、解釈、感情」をコントロールします。
まず一番、手っ取り早いのは不快な人や出来事からは距離をとることです。
ただこの対処方法は完璧ではなく、その人自身が近付いたり、強制収容など自由が奪われるような状況下では、その環境から距離を取りようがありません。
しかし自分が置かれている状況や環境に対して、どのように受け取るかは自分自身が決められます。
ユダヤ人の「ヴィクトール・フランクル」はナチスドイツに強制収容され、過酷な扱いを受けても、精神的な自由は誰にも奪われないと考え、人間が生存する上で最も大切なことは「未来への希望」という解釈をもとに生きながらえ、収容所から解放されました。
悩む人は「悩みやすい問い」を立てているに過ぎません。
- 悩みは外部ではなく、内部から生まれる
- 悩みは出来事ではなく、解釈から生まれる
- 悩みは事実ではなく、感情から生まれる
特に出来事に対する解釈を変えることで感情が変わり、悩みがなくなります。
例えば、無礼な若者が駅で肩をぶつけたのに謝罪もせず行ってしまった場合。
解釈A:「なんて失礼なんだ。これだから人混みは嫌なんだ」→怒りや悩みの感情が沸き起こる。
解釈B:「緊急な用事で周りが見えずに急いでいたのかもしれない。世の中にはそんな人もいるだろう」→怒りや悩みの感情が沸き起こらない。
「外部、事実、出来事」は変えられなくても、「解釈」は自分自身で決められます。
悩まない人は悩みを深めてしまうような問いを立てません。
不快な出来事があったら、10秒で悩まない解釈を導き、感情を落ち着かせて、その後はキッパリ忘れる方がいいです。
できるだけ早く9回失敗しよう
はじめから成功する人は天才と言われる人で、そういう人は滅多にいません。
一般に成功者とは、失敗を学び、トライ&エラーを繰り返し、失敗するパターンを学んだ人です。
そして「10回に1回の法則」があります。
これは10回やれば1回は成功するというものです。
大抵の人は失敗が2〜3回も続くと、自分には才能がない、向いていない、努力が足りないなどの理由から諦めてしまいます。
七転び八起きのさらに先の10回目では必ず成功します。
これは9回の失敗パターンや条件を学習し、それらを避けることで成功確率が徐々にあがることを意味します。
Aパターンはダメ、Bパターンもダメ、Cパターンもダメというように色々なパターンを検証することで、成功パターンに近づくようなイメージです。
だからむしろ早く失敗して学ぶ方を優先した方がいいです。
10回目で成功パターンを掴むと、11回目、12回目も成功します。
失敗パターンを理解している人は100戦91勝9敗で勝率91%になります。
運がいい人は失敗を喜ぶクセがある
悩みは「思い通りにいかないこと」ことです。
それは言い換えれば「失敗パターンを1つ経験した」とも言えます。
成功する人や運が良い人の思考アルゴリズムは「失敗の積み重ね=成功」がインストールされています。
何か手痛い経験をすると、むしろ脳がワクワクします。
「この失敗も将来役立つ」と予測して、失敗を歓迎します。
失敗と成功の因果関係が見えると、災難や悪いことが起こった次は、最初の災難や悪いことを上回る良いことが起こる前触れだと捉えるようになります。
筆者は経営者などの会合で「失敗自慢話」で盛り上がりますが、自分より大きな失敗を経験している人が、むしろ羨ましく思えることがあるそうです。
まとめ
個人的に悩みとは「今は思い通りなっていないことだから、やり方を変えて本来目指してたゴールに到着できるよう軌道修正すればいいだけだよね」っていう考え方がとても前向きで良いなぁと思いました。
天才でない限り、失敗はつきものだし、失敗パターンを学習した上で、重要なのはその失敗を何度も繰り返さないことだと思います。
そのために、しっかりメモやログを取るなどして、振り返ることも重要です。
あと悩む人は、「悩みやすい問い立てている」というのも個人的に響きました。
確かに人はネガティブ思考が一度、頭をよぎるとそれに囚われ、悪い方へと潜在意識が向いてしまいます。
ネガティブ思考に対しては、リフレーミングで「解釈自体」を180度、変えてしまうというアプローチが効果的です。
- 自分視点だけでなく、相手視点に立つ
- 本当にそれは問題なのか?逆にチャンスなのでは?
悩みとは事実ではなく、感情から生まれるという話でしたが、一旦その感情は脇にそっと置いておいて、思考ゲームのように多角的に事実を見ることで新たな気付きが得られるかもしれません。
続きは本編の書籍でどうぞ!
「悩まない人」の考え方 ── 1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30