【本要約】STOIC 人生の教科書「ストイシズム」Part1:心の声に耳を傾ける
人生は短い。では、どう生きるか?
今回ご紹介するのは「STOIC 人生の教科書ストイシズム」(著者:ブリタニー・ポラット/翻訳:花塚 恵)です。
2000年以上の時を経て、語り継がれてきたストア哲学の叡智に触れることで、冒頭の究極の問いに対して後悔せず自信をもって生きることができます。
ストア哲学の叡智───それは鋼のメンタルをつくる教え「ストイシズム」です。
近年シリコンバレーのテック企業CEOから、世界的アスリート、そして多くの成功者たちが取り入れていることからも注目されるようになりました。
「大きな理想を実現するために必要なのは自分自身への規律です。」
毎日たった1つの行動から、人生を変える規律が生まれます。
本書では現代に生きる私たちが、ストイシズムの教えを90日間の実践プログラムとして取り組めるよう構築されています。
今回は時間のない方に向けて、この90日間のプログラムを凝縮して僕が特に大切だと感じたプログラムだけをピックアップしてご紹介いたします。
この記事の目次
ストイシズムとは何か?
ストイシズムとは「目的」と「意志」を兼ね備えた、よりよい人生にするための考えです。
ストイシズムを実践することで負の感情が減り、活力を強く実感できるようになります。
本書では1日1つ各パートで紹介されている課題に対して自身で深く思考して専用のノートなどを用意して心に浮かんだことを文字にして書き出すことを推奨しています。
前提として知っておきたいストイシズムの「4つの美徳」とは?
人生は何をもってよい人生となるか?
この定義について、古代ギリシアの哲学者たちは「美徳のある人生」であると信じていました。
美徳とは内面的な素晴らしさのことで、主に4つの要素で構成されています。
1. 「知恵」うわべだにとらわれない力
知恵とは、ものごとの本質を掘り下げ、うわべにとらわれず、限りある時間とエネルギーを有意義なことに向けられるにようにします。
2. 「正義」他人に思いやりを持つ力
正義とは、他者に対して敬意を持って接し、よき手本となる行動を示すとともに、人のあいだに優劣は存在しないとの認識をもつことです。
3. 「勇気」苦難に立ち向かう力
勇気とは、思考・肉体・精神において、困難で辛くても過酷な課題を引き受け、見方が一人もいなくても信念を貫き通せる力です。
4. 「節制」衝動を抑える力
節制とは、衝動をコントロールして適度な範囲に留めることを意味します。表層的な誘惑(肉体的な快楽、報酬、権力、名声)に向かう欲望を抑え、内面の充実(人生セインや卓越した忍耐)を求めるようになり、永続的な豊かさを享受できます。
Part1「心の声に耳を傾ける」
このパートでは明晰さと勇気を育むことで自分自身とその思考をよりよいものにする力をします。
1.心をひらく
ストイシズムを実践する者が最初に行うことは「自分は知っている」という思い込みを捨て去ることです。
人は知っていると思っていることは学びません。
よい人生を送る上で必要なことは常に新鮮な目で世界をみることです。
自分の中に染み付いた前提や思い込みを捨て、オープンマインドで世界をみることで新たな発見や気付きが得られます。
1. あなたが変えたいと思う思考クセや、捨て去りたい思考クセを3つ挙げてみましょう。
2.理想を羅針盤にする
船乗りが決まった星を目印にして進路を決めるように、人生にも目指すべき理想や目標が必要です。理想のない人生は迷走します。
セネカは人生にしっかりとした目標をもち、無軌道や惰性で生きることに警鐘を鳴らします。
どこに向いているのか?なぜそこに向かいたいのか?
自分の目指すべき道が分かると行動の一つひとつが有意義になります。
1. 未来(10年後)の自分が今の自分に会いに来たと仮定して、未来の自分が誇りに思ってくれるような大きな夢を3つ書いてみましょう。
2. その3つの大きな夢を叶えるために具体的にどう計画して行動していくか書いてみましょう。
3.不必要なことをやめる
心を乱す避けたいものを排除し、人生において必要なことのみをしましょう。
マルクス・アウレリウスは「これは本当に必要なことか?」と自問自答するよう諭しています。
必要ではないものを排除することで、内省や有意義なこと、心を満たすことをするための余裕が生まれます。
1. 日常的に行っているタスクや行動を全てリストアップしてみましょう。その中から不必要だと思えるものに線を引いて消してみましょう。
2. その空いた時間で何か他に有意義なプロジェクトや心躍る活動などがないか考えて取り入れてみましょう。
4.自分自身の友になる
友人に対するように自分に接します。
セネカは自分自身の真の友になることが、誰かと真の友になるうえで最初の一歩だと諭しています。
心から自分自身に自信が持てると外からの承認をあまり求めなくなり、ひいては他者をありのままに受け入れることができます。
1. 大切な友人を扱うようにあなたはあなた自信を扱っているでしょうか?自分の誇りに思うことを5つ書き出してみましょう。
2. 自分自身に批判的になりがちなことを1つ書き出し、それを友人に励ますよう自分自身への手紙として書いて宛ててみましょう。
5.居場所に満足する
あなたがどういう人間であるかは、あなたがどこに向かうか以上に重要なことです。
セネカによると、心の平穏と充足感を得る秘訣は、今現在の自分と今自分のいる場所に満足を見出すことだと説いています。
初めての人、場所、出来事は興奮をもたらしますが、それを追い求めるという行為は常に満足できず、未充足な状態に他なりません。
1. 今現在、あなたのニーズを満たしてくれるモノやありがたいと思うものを5つ挙げてみましょう。朝のコーヒーでも構いません。
2. よりよい人生を送りたければ場所ではなく、意識を変えるというセネカの意見にあなたは賛成でしょうか?反対でしょうか?その理由も考えて自分自身で答えを見つけてみましょう。
6.他者の評価から自由になる
ストア哲学者たちは他者による批判も称賛も断ち切り、自分自身にその影響力をもたせるなと説いています。
自分自身の性格や幸福は、よくもわるくも他者の意見で左右されるものではありません。
「内面の充実に意識を集中させる」ということは、尊敬する人、愛する人、恐れを抱く人からの支持も不支持からも自由になるということです。
1. あなた自身が人から言われて嬉しいことを5つ挙げてみましょう。
2. そしてその5つを言われても何も思わなくなるよう、繰り返し紙に書いたり、自分に言い聞かせてみましょう。
7.内なる炎を燃やす
勢いよく燃える炎は鎮火はおろか閉じ込めることも、衰えさせることもできません。
人生に喜びを取り入れましょう。
あなたを奮い立たせるものは何でしょうか?優れた音楽や本?友人との会話?
あなたの内なる炎は何で火がつき、その炎を勢いよく燃え続けるにはどうしたらいいでしょうか?
1. あなたが一番エネルギーに満ち溢れ、喜びや意義を感じる活動を最低3つリストアップしてみましょう。
2. その活動をエネルギーを注げるよう日常生活の中に取り入れるにはどうしたら良いか考えてみましょう。
8.言葉と行動を一致させる
すべての言葉と行動を調和させ一貫性をもって貫きます。
セネカによるとストイックな生き方とは自らの価値観や信条に一致した行動を取り、美徳に従って生きることを指します。
1. 理想の羅針盤で設定した目指すべき理想や目標を振り返ってみましょう。今日1日ですらも、その目標の実現に向けてできないこと、進める上で遅れていること、課題があればそれらを書き出しましょう。
2. まず最初に達成したい目標を1つだけ定め、それを今週中、今月中、今年中と区切り具体的な取り組むことを書き出し、今から行動しましょう。