【本要約】「ゼロ秒思考」のやり方と効果〜頭の考え事を1日10枚A4紙にメモを書くだけで仕事も人生も前進する
今回ご紹介するのは「ゼロ秒思考〜頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング」(著者:赤羽雄二)です。
コンサルティング・ファームの「マッキンゼー」で14年間活躍した著者の「ゼロ秒思考」という、とてもシンプルな思考トレーニング方法が本書で紹介されています。
著者の赤羽氏はマッキンゼーで経営改革に取り組み、企業が直面する経営課題、収益改善、人材育成、レイヤーの異なる社員間のコミュニケーションなど、ビジネスのあらゆるシーンにおいて、このゼロ秒思考を駆使し、次々と課題を解決してきました。
このゼロ秒思考を身につけることで、心のコントロールもできるようになり、不安やストレス、恐怖や絶望といった困難な状況になっても、前向きに明るく生きていることできます。
やり方は非常にシンプルで簡単ですが、シンプルがゆえにそれを続けるのが難しいです。
実際、著者はセミナー等で公演をしているのですが、これを継続できる人は100人いて1〜2人程度で、継続するこで上位1〜2%の存在になれます。
このトレーニング方法は、お金もほとんどかからず、しかもわずか3週間ほどでその効果を実感できます。
全214ページの中から、重要なポイントを要約してみましたので、ぜひ今日からこのゼロ秒思考を仕事やプライベートでも活用してみてください。
僕自身が感じたように、きっと驚くような効果を感じることでしょう。
この記事の目次
時間をかけても問題が解決しない原因とは?
モヤモヤや課題に感じていること、不安なこと、やりたいこと、願っているものなど日々、頭の中だけで考えいるだけでは堂々巡りをして、浮かんだアイディアもすぐに消えます。
一度消えたアイディアは、それらを深堀って考えることも整理することもできません。
これではどれだけ時間をかけても前進しません。
最もシンプルな解決法
頭では考えずに、問題やモヤモヤ、願望などの考え事を紙にメモとして書き出します。
ここで重要なのはパソコンやスマホではなく紙に書くことです。
やり方はA4用紙1枚に1つの課題(考え事)を1分で書きます。
長い時間をかけて書く必要はありません。
1分という制限時間の中で書くことに価値があります。
長く時間をかけても、結局は最初に思いついたものになることがよくあります。
結局そうなれば、長い時間をかけて考えた時間そのものが無駄です。
メモ書きの効能
多くの書籍でもメモの効能は語られているところですが、あらためてメモ書きの非常にパワフルな効能を挙げています。
- メモを書くと、頭が整理される
- メモを書くと、腹が立たなくなる
- メモを書くと、自信が出てポジティブになる
- メモを書くと、本質的な課題を可視化できる
- メモを書くと、課題がクリアとなり解決アイディアや仮説が浮かぶ
- メモを書くと、それぞれのメリット&デメリット、優先順位や重要度がハッキリする
- よってメモを書くと、仕事でも結果がでて、夢や自己実現など公私ともに前進&急成長できる
停滞している会議にありがちなこと
停滞している会議の代表的な状況として、課題は出るが、その課題に対して深堀りができず、課題の分解もできていないケースがあります。
例えば業務の生産性を上げるという課題に対して、ある人から「会議の時間が長い」という課題が出た場合、会議時間を減らすという安直な解決策を提案しても意味はありません。
会議の場でもA4用紙を取り出し、1分でメモを書いてみます。
課題を少し深ぼれば、「なぜ会議の時間が長くなるのか?」という新たな(本質的)な課題が出てきます。
日々、ゼロ秒思考のトレーニングを積んでおくと、1分もあれば会議の時間が長くなる理由など、4〜6つほどその場でぱっと出てきます。
- 会議の目的が明確ではない
- 事前に話すべき議題が絞れていない
- タイムキーパーが不在
- 事前に各自が考えてこない
- 話すことが目的となって解決策を決められない
- 会議で出た話をどう決定するか明確ではない
…etc
それらの課題について1つ1つホワイトボードなどに書き出し、話しを進めれば、会議での主導権を握ることができ、その後の展開もスムーズになります。
さらにはあなたの周囲からの評価も高まることでしょう。
もとより生産性がないと思われていた会議をより有意義な機会にできるかもしれません。
課題から解決案までのシンプルな思考方法
- 課題
- その課題が生まれる背景や理由
- 本質的な課題の発見
- 本質的な課題に対する解決策を4〜6個ピックアップ
- 各解決策のメリット&デメリットなどを比較
ゼロ秒思考で即断即決できる人に共通していること
即断即決・判断力のある人は下記の公式が成り立っています。
情報量+思考頻度=判断力
圧倒的な情報量と常にそのことについて考えていると、瞬時に出た案に対して仮説を立てて判断が下せます。
例えば、新たに株式投資を始めると仮定します。
最初の段階では、情報量も限られているため、誰かがオススメしたリスクの高い投資をしてしまう可能性があります。
しかし、投資に関する本を読み、専門家の意見を聞き、経済ニュースを定期的にチェックすることで、投資に関する情報量が増えていきます。
また情報を得るだけでなく、その情報を元に日々考えることが重要です。
例えば、株価が下がったときに───
- なぜ下がったのか?
- これは一時的なものか?
- 長期的なトレンドなのか?
などを考えます。
このような思考の頻度が増えると、投資に対する判断力が磨かれていきます。
もちろん、これらを日々メモとして書くことで思考が深まります。
ゼロ秒思考を鍛えるためのメモ書きフォーマット
フォーマットは以下のものを守ります。
タイトル
日付(右上)
-本文(項目)※4〜6行くらい
・詳細(最初はなくても良い)
実際のメモのサンプル
メモは思いつたその場で書きます。
アイディアや思いつきは、次々に現れ消えていく泡のようなものです。
夜にまとめて書くとか朝にまとめて書くではなく、思いついたその瞬間に書くことが非常に重要です。
いつでも思いついたらその場で書けるように手元に紙とペンを準備しておきます。
メモは毎日、10ページ書く
1日10ページ、思いついたその場で書くと決めます。(後から書こうとしても忘れる)
この10分で10個のタイトルについてメモをすることでゼロ秒思考が磨かれ急成長できます。
1日3ページでもなく、20ページでもなく10ページを1ページ1分(延長しても15秒)で書きます。
時間をかけて長く書きすぎてもダメです。
ゼロ秒思考のトレーニングとして最適なのが1日10ページになります。(筆者は数万枚とテストしていきついた結論)
しかし、著者はセミナー等でも、このゼロ秒思考について話して、その時は感銘を受けて始めた人でも、1日10ページ、毎日書き続ける人は非常に少ないそうです。
当たり前ですが1週間で70ページ、1ヶ月で300ページにもなります。
用紙はA4の裏紙でOK
裏紙であれば思いっきり使えますし、遠慮しなくていいです。
また何度も同じタイトルを書くこともありますが、気にする必要はありません。
書けば書くほど精度もあがり、脳も整理され、状況などによって内容もアップデートされます。
どうせ1分で書けるので過去に書いたメモは探さず&気にせず、その場で書いてしまいしょう。
何を書いたら良いか分からない場合
今の感情から考えに、考えをメモにする
何をメモに書くか迷う場合、感情を起点にメモを書いてみよう。
- 感情が起こる
- 考えが浮かぶ
- 考えを整理する
- 文章がある程度浮かぶ
- メモに書く
- 課題解決に取り組む
感情には楽しい、嬉しい、ワクワク、幸せ、不安、焦り、いらだち、絶望など様々です。
感情をメモによって整理するだけで驚くほど心も整理されて、堂々巡りもなくなります。
状況、ニーズからタイトルを考えてメモにする
- どうやったら人と親しくなれるか?
- プライドを捨てるとはどういうことか?
- 大勢の前で緊張せず話すにはどうするか?
- どうしたら人に甘えられるか?
- どういう時に孤独感を感じるのか?
- 人といれば孤独感を感じないのか?
- 仕事が楽しくて仕方がない時とはどういう時か?
- 自分が急成長したときは?
- 急成長するために必要な要素は?
- 急成長しずらい環境を変えるためには?
- 自分にとってのミッションは?
- 自分にとってのビジョンは?
- 自分にとってのバリューは?
- 3年後にどうなっていたのか?
- そのために何を変える必要があるのか?
時間がある時にある程度、タイトルをストックしておくと一気に書けます。
個人的にはChatGPTに自分の現在の状況を分析させ、検討するべきタイトルを質問形式で提案してもらうと、考えるべき有益なタイトルを短時間でピックアップできると思います。
人生における重要な要素からタイトルを考えてメモにする
- 仕事
- 趣味
- 健康
- お金
- 人間関係
- 夢
- 学びと成長
- 精神的・感情的な充足
- コミュニティや社会貢献
- 時間の使い方
タイトルは質問形式にした方が答えやすい
- なぜ〜なのか?
- 〜する方法
- 〜のためのステップ
…etc
メモからメモへと深堀り
メモでアイディアや新たな疑問が浮かんだ場合、それを新たなタイトルにして深堀りすることで、タイトルが芋づる式に広がります。
メモの保管・整理方法
1ヶ月で300枚のメモが生まれますので、カテゴリごとに分類して(ポストイットなどにフォルダ名をつけてラベル付け)クリアフォルダに投げ込んで保管します。
ただし、それらは普段は見返しません。
3ヶ月に1度でざっと目を通す程度でOKです。
3ヶ月後にざっと見返すことで、成長実感や新たな気づきやメモするべきことが浮かびます。
基本的に捨てずに保管しておくことで、積み上がったメモの厚みが自分への自信につながります。
最後に個人的な感想
やってみると1分で書くのは非常に難しい!でもこれが良いトレーニングになります!
なんたって1日10枚…7日で70枚、1ヶ月で300枚、1年で3650枚もの物量になります。
1日、10分の積み重ねでも1年後には圧倒的な思考のアウトプット量となります。
実際にやってみると、頭の中で堂々巡りをしていることがなくなり、余計な思考の罠に陥らず、時間も有意義に使えるようになりました。
僕はパソコンで考えを整理してきましたが、紙を使うことで重要な要素を◯で囲ったり、線で結んだりして、自分の頭の中をより可視化できるので、紙にメモを書くというメリットも非常に感じました。
そして1分(延長し得ても1分15秒)という短時間で思考して書くというのは非常に脳が疲れます。
筋肉と一緒んで疲労感を感じるということは、それだけ鍛えられているということなのかな?と腑に落ちました。
特定のテーマだけでなく、バランスよく色々なメモを書くことでゼロ秒思考が磨かれると思います。
最後に著者が何万枚と書いてきたメモ書きにおいて、一番オススメしていたペン「パイロットVcorn 直液式・水性」をご紹介します。
「パイロットVcorn 直液式・水性」は滑らかな書き心地で、1分という短い時間でもスラスラと力を書けずにスムーズに書けます。
実際、僕も10本ほど購入しましたが、1本100円未満という安価ながら、速乾性のあるインクで滲みもなく気持ちよく書けます。
保管用のフォルダや、いつでも書けるバインダー、メモの一時保管用のラックなどを用意しておくのも、便利かと思います。(僕は全部購入済みです)
※筆者は書いたメモを棚に積み上げて目の見える場所に保管していますが、整理術は個人の好みでも良いと思います。