無病法〜お金も時間も健康も全て手に入る「極少食」とは?
ルイジ・コルナロの「無病法」という書籍があります。
著者のルイジ・コルナロは、ルネサンス期のイタリア貴族で、西欧では歴史的に最も有名な長寿者の一人です。
彼自身、それまでの暴飲暴食により40代で重い生活習慣病にかかり、医者からは死にたくなければ食事量を必要最小限に減らせよと宣告されました。
そこから彼は「極少食」とも言われるほどの節食を心がけ、その後は容態は回復し、1500年代当時としては異例の102歳という天寿を全うしました。
しかも目も耳も歯も、頭脳も明晰で、病気に悩まされることもなく、健康であり続けたというから驚きです。
この記事の目次
なぜ極少食が健康に良いのか?
「少食」が健康に良いというエビデンスは過去から現在に至るまで複数の動物実験を含む研究結果で報告されています。
- 消化器系の負担軽減
少食にすることで、消化器官への負担が減り、消化にかかるエネルギーを他の体の機能に使いやすくなります。これにより、内臓の健康が保たれやすくなります。 - 体重管理と肥満予防
摂取カロリーを減らすことで、体重を適正に保ちやすくなり、肥満やそれに関連する病気(糖尿病、高血圧、心臓病など)のリスクを減らすことができます。 - 代謝の改善
少食はインスリンの分泌を抑え、体が脂肪をエネルギー源として利用しやすくなるため、代謝が改善されると考えられています。 - 細胞の修復と長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)の活性化
カロリー制限や空腹感は、細胞の修復や再生を促進するホルモン(例:オートファジー)や長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)を活性化させることが分かっています。 - 心血管健康
過剰な食事は心血管疾患のリスクを高める可能性がありますが、少食にすることで血圧やコレステロール値の管理がしやすくなり、心血管疾患の予防に役立つとされています。
また人は体調が悪くなると、自然と食欲は抑えられます。
それは自然治癒力を高めるための自助作用によるものです。
食欲旺盛は健康な証でもありますが、本来は食事量を減らした方が食品から受ける体内の炎症作用を減らすことができ、結果として病気や不調といった事から遠ざけてくれます。
※栄養不足にならないように注意し、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。
実際のコルナロの1日の食事量と内容
コルナロの1日の食事量は、パン、卵の黄身、少しの肉、スープで約350g、ワインが約414mlとされています。(上記の写真イメージ)
10代、20代の青年期は別としても、30〜50代の中年期からは食事量を年齢とともに徐々に減らしていくことが肝心です。
複数の現役医師の方々も多くの書籍を書かれていますが、共通しているのが「少食ライフの提唱」です。
食事の回数も1日3食をバランスよく食べるということが一般常識ですが、3食のうち1食は医者のために食べるとも言われています。
「何を食べると健康に良いか?」よりも「食べる量そのものを減らす」ことができれば、たとえ健康リスクが高い食品でも、その影響を最小限に抑えられます。
極少食はご飯を”半分”に減らすところから
実際に僕も食べすぎている自覚があったので、この極少食を生活に取り入れてみました。
ただ、いきなり極少食と言われても難しいので、医師で禅僧でもある川野泰周 著の「半分、減らす。」からエッセンスを取り入れてみました。
半分、減らす。―――「1/2の心がけ」で、人生はもっと良くなる (知的生きかた文庫)
これまで食べていたご飯(白米)の量をある日を堺に半分に減らしました。
(主菜、副菜、汁物の量は変えず)
その上で、書籍に書いてあった通り、しっかり食事に向き合います。
ご飯やおかずを見て愉しみ、香りをかぎ、食べた時の食感や味をイメージして、美味しそうだなと思うところから始めます。
1口目はとにかく味わいます。
何度も咀嚼して口の中で味わいつくし、胃などの消化器官にエネルギー負担をかけずに消化できるようにします。
食事量が減ると、1口の重要度が高まります。
ゆっくりと時間をかけて食べることで、量は減っても満足度がとても高くなります。
ゆったりと感じられる時間は、忙しい現代において貴重な時間です。
まさに、「少ないことはより豊か」というLess is Moreの精神が食事にも宿ります。
お金も時間も健康も全て手に入る!極少食を続けて実感した「六方よし」とも呼べるメリット
実際に、極少食を続けてみて感じたメリットは強大でした。
ある意味で現代人にとって最強習慣(ライフハック)かもしれません。
それは「六方よし」経営の如く、全ての要素にとって良い状態になるからです。
簡単にまとめると下の6つの生活を構成する要素がプラスになります。
極少食にすると「お金」が貯まる!
食事量が減ることで食費も連動して減ります。 支出が減るということは相対的にお金が増えるということです。
極少食にすると「時間」が増える!
食事量が減ることで、家事の手間が減ります。 僕は買い物に行く頻度も減り、劇的に家事にかけていた時間が削減でき、他にやりたいことをする時間が増えました。
極少食にすると「健康」になれる!
少食は健康に良いということは前述の通り多くのエビデンスが存在します。
極少食にすると「幸福感」が強まる!
食事の時間がより楽しみになりました。 少ない量、シンプルな食材(たとえば大根の漬物でも)食事に正面から向き合うことで、食品に対する感謝の気持ちが湧き上がり、満足度は貪るように食べていた頃とは別次元の幸福感を感じます。
極少食にすると「集中力」が高まる!
常に適度な空腹感は集中力を上げてくれます。
満腹感は体が消化にエネルギーを使おうとするため、脳へのエネルギー負荷はストレスとなります。
極少食にすると「自己肯定感」がもてる!
自分自身をいたわり、健康のために食事量をコントロールできているだけで、自制心が磨かれ自己肯定感がアップします。
またダイエット効果も期待できるため、引き締まった肉体から自信にもつながります。
まとめ〜食事もミニマムにすることでより豊かになれる
結局は「少ないことはより豊か」というLess is Moreに尽きます。
高級な旅館や料亭では、旬の食材が大きなお皿に、少量だけ盛り付けられています。
少量だからこそ、その食材を、しっかり味わおうという意識が働き、そっと食べて口に広がる風味や食感を愉しみます。
逆に安価なお店やファーストフード店では、メガ系メニューが人気です。
安価な食材を大量に仕入れて使って、大盛りなど見た目のインパクトで訴求します。
沢山食べることで、その瞬間は満足感はありますが、食べ過ぎた翌日は胃もたれなど、体に不調を感じ、後悔をします。
若い頃から年齢を重ねると価値観の変化というか、より良いものを必要最小限で少なく手にするという考え方になってきますね。