【DWZ実践】米国配当金を再投資しなかった12月─ホノルルマラソンが人生の判断基準になった話

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行くか迷ったホノルルマラソンは、人生の判断基準になった
正直に言うと、ホノルルマラソンに行くかどうかは、かなり迷っていた。
僕はハワイもマラソンも好きだ。
マラソン人生において、ホノルルマラソンは一度は走ってみたい大会だった。
ただ、御存知の通り、ハワイの物価はアメリカの州の中でも上位に入るほど生活コストが高い。
さらに円安というダブルパンチで、気軽に行けるような場所ではない。
10年前、ホノルルセンチュリーライドでハワイを訪れたときは、ホテルの宿泊費や外食も、そこまで高いとは感じなかった。
今よりお金がなかったにも関わらず──。
いや、正確に言えば、節約クセがつき、資産を追い求めるようになると、お金は「使えない」思考になってしまうのだ。
それは自分自身でも分かっていて、『Die with Zero(以下、DWZ)』の実践はテーマだった。
- お金よりも体験を最大化したい。
- 資産は順調に積み上がっている一方で、「このまま貯め続けていいのか?」という違和感。
これはDWZを読んだ人なら、多くが一度は感じるジレンマだと思う。
結論から言うと、今回、思いきってお金を使い、ハワイに行ってホノルルマラソンに参加して本当によかった。
しかも、ただ楽しかったという話では終わらなかった。
今回の旅は「贅沢」ではなくDWZの実践だった

今回のハワイ滞在は6泊8日。
ホノルルマラソン参加がメインイベントだが、ハワイプチ移住が裏テーマだった。
ツアーなどには参加せず、朝ランニングしたり、ハワイで普通に暮らすような時間を過ごしたかった。
具体的には下のような感じだ。
- キッチン併設のゲストハウスのドミトリーで人との交流
- Targetやウォルマートなどのスーパーで食材を買って自炊
- 観光は最小限でハワイのゆるい環境でゆったり走る、休む、自分と向き合う
外食も我慢しすぎず1日1回はしたが、やはり高い。
チーズケーキファクトリーなどでアパタイザーを1品頼むだけでチップ込みで4,000円は超える。

人気のステーキプレートがテイクアウトできるステーキ・シャックでは、写真のステーキプレートがチップ込で3,500円もする。
それでも、旅費は約20万円ほど。
ホノルルマラソンのエントリー費を含めても、約23万円で収まった。
(調べると一般的に6泊8日だと30〜60万くらいかかるよう)
ゲストハウスが1泊8,000円弱とワイキキでは激安で、キッチンも併設なので、これが最大の要因だ。
しかもこの費用は、12月に受け取る約30万円の米国株配当金をあえて再投資せず、全て円貨受取(※)にして現金化し、それを旅費に充てた。
普段は配当金をそのまま再投資しているが、今回は「12月分だけ」を使うと決めた。
つまり、元本を削ったわけではない。
資産が生んだお金の一部を、意図的に体験へ回しただけだ。
これは自分なりのDWZの実践だった。
もし12月分の配当金を再投資に回せば、証券口座の数字が少し増えるかもしれないが、来月にはその増えた分の証券口座の数字が、株価下落であっけなく元にもどるかもしれない。
しかし、体験や思い出は来月、突然記憶からなくなることはない。
(※)楽天証券の場合、米国株配当金を外資で受け取り、その後、楽天銀行などへ円で振り込む場合、「外貨出金」となり金額にかかわらず1件につき25USDもかかる。
さらに厄介なのがタイミングによる為替差益である。
配当金受取時よりも外資出金時にプラスになっていれば「雑所得」として確定申告が必要になる。
そこで活用したいのが米国株の配当金を「円貨受取」に変更する方法だ。
円貨受取であれば、為替スプレッド(実質コスト)は1ドル25銭のみで、為替差益も発生しないので確定申告もシンプルになる。
楽天証券の円貨受取について:https://www.rakuten-sec.co.jp/web/info/info20230529-01.html
過酷だった。でも、それも含めて重要な気づきだった
今回の旅は、決して楽なものではなかった。

- 初日は深夜1時頃にゲスト同士のトラブルで、ほとんど眠れなかった
- マラソン当日は深夜2時半起きで5時スタート、想像していたけど眠れずにキツイ!
- さらにスタート1時間前(午前4時頃)から大雨で、これから42kmも走りたくないし、どこでもドアがあれば速攻で家に帰っていた笑
正直、体験としては、ハワイのリラックスした一面も味わいながらも、かなり過酷だった。
だからこそ分かった。
自分は「ずっと旅を続ける生き方」はたぶん選ばない。
理想的な生き方として50歳手前で仕事を早期退職(FIRE)し、1年間また世界を旅する───
そういう自由な生き方もアリかと、思っていたが、その憧れは今は感じない。
これは妥協ではなく、自分にとっての幸福は、日々の小さな幸せ(自分の部屋の布団で眠れる、朝のコーヒーを淹れるなど)がある安定した生活と、たまにの非日常の旅のバランスが重要だと分かったからだ。
非日常を最大化するには、日常が必要だった

今回の体験を通して、一つはっきりしたことがある。
非日常は、ずっと続くと消耗する。
だからこそ、自分のペースで生活できる最高の環境が必要だと感じた。
お金を使うなら旅などの体験にも使いたいが、生活環境にも使いたい。
今は賃貸暮らしなので、最速で新NISA枠を全て埋めた後は、ポートフォリオの多様性という観点からも無理のない範囲で不動産を購入しようと思っている。
僕のポートフォリオは現在、米国株や海外ETFが全体の80%以上を占めている。
年齢を重ねるにつれて、これからは「増やす」だけでなく、「守る」フェーズにも少しずつ入っていくと感じている。
その一環として、リスク資産を一定ルールで取り崩し、不動産ローンの返済に充てることで、資産クラスの分散を図りたいと考えている。
株式という金融資産と、不動産という実物資産を組み合わせることで、ポートフォリオ全体の安定性を高める狙いだ。
一般的には「労働収入 → ローン返済」が王道だが、僕の場合は「資産収入 → ローン返済」を軸にする予定だ。
長期的には資産の期待利回りが変動金利を上回る可能性が高いと考えており、仕事は継続しつつ、年収ベースで無理のないローンを組む。
昔、知り合った会社経営者から、こんな話を聞いたことがある。
普通の人は、キャッシュでモノやサービスを買う。
一方で、お金持ちはまずキャッシュで資産を買い、その資産が生む収入からモノやサービスを買う。
「お金持ちになりたければ、最初に買うべきは“お金を生み出すモノ”だ」
その言葉は、当時の僕にとってかなりの衝撃だった。

ベースがあるからこそ、月に1回ほど明確な目的を持った特別な体験を味わえる旅=非日常を、何度でも楽しめる。
ハブ&スポークという考え方
僕はスポーツ(自転車やマラソン)を通じて本質的な学びや気付きを得るのが好きだ。
自転車のタイヤにはハブとスポークというパーツがある。
この2つのパーツの関係性は今回の旅を通じて得た気付きにリンクする。

ハブとは、中心となる「生活と仕事の拠点(ベース)」のこと。
スポークは、ハブとタイヤをつなぐ細い線で、いわば「定期的に出かける旅や挑戦」を指す。
ハブは1つで太く、強固なパーツだ。
一方、スポークは細く長く、複数本が張り巡らされている。
この構造があるからこそ、タイヤは安定して回転し続ける。
同じように、ハブのような安定した拠点を持ったまま、スポークのように外へ出ていく。
それが、精神的にも生活的にも理想的な状態なのだと思う。
ハブだけでは、大きなタイヤで自転車をラクに走らせることはできない。
またハブのないスポークだけでは、タイヤを維持できず自転車も走らせない。
ハブを回すことをやめると、徐々に自転車はスピードダウンをし、そこから再び漕ぎ出すには、大きなパワーが必要になる。
だから、仕事などを辞めて長期間の大きな旅に出るのは、パワーのある若いうちなら、再スタートも難なくできるが、走ったり止まったりするのは、実は一番疲れる。
これは自転車もマラソンも同じだ。
重要なのは一定のペースでタンタンと、止まらずに走り続けること。
働きながら、年に何度か小さな旅に出る。
そのほうが持続可能で、人生全体で見たときの「記憶の配当」は、きっと大きくなると感じている。
今回の旅がくれた、本当の収穫
ホノルルマラソンを完走したこと自体も大きな達成感だった。
でもそれ以上に大きかったのは、
- 配当金を再投資せず、自分のやりたかった挑戦や体験に使えたこと
- 自分に合う生き方の輪郭がはっきりしたこと
最近読んでいる本に『THE WEALTH LADDER 富の階段』がある。
ここには、自分の資産のの0.01%は、実はあなたにとって「取るに足らない金額」であると書かれている。
資産1億円でも1万円なので、今回の旅費20万円は資産20億円レベルにならないと取るに足りない金額ではないが、配当金を旅費にあてることで、資産を取り崩すような精神的な負荷はない。
配当金は再投資してもいいし、使っても良い。
ちなみに、来月の1月分からは外貨受取にして、また再投資する予定だ。
柔軟にスイッチングして、バランスをとる。
この感覚を得られたことが、今回の旅の最大のリターンだったと思う。

THE WEALTH LADDER 富の階段: ── 資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略
DIE WITH ZEROを読んで悩んでいる人へ
もしあなたが、
- お金はある程度貯まってきた
- でも使うのが怖い
- 配当金も基本はすべて再投資している
そんな状態なら、
「全部を再投資しない」という選択肢を、一度だけ試してみてほしい。
例えば、
米国株の年4回の配当月のうち1ヶ月分だけを再投資せず、円にして現金化し、それを体験に使ってみる。
残りの配当は、これまで通り再投資でいい。
重要なのは、「全部使う」でも「一切使わない」でもなく、まずは小さく使ってみることだと思う。
理屈ではなく、体験を通してしか分からないことがある。
今回のホノルルマラソンは、自分にとって「判断基準」になる体験になった。
これから先、またお金の使い方で迷ったときは、きっとこの体験に立ち返ると思う。


