【本要約】DIE WITH ZERO まとめ/人生最後に残るのは想い出

DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

2021年9月にAmazon Audibleで本書「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール」(著者:ビル・パーキンス、翻訳:児島 修)を聞いてみたら非常に面白い内容でした。
本書ではお金を増やすことよりも想い出を増やすことがより重要だと書かれています。

昨今の”お金を増やす系”の本はどれも突き詰めると同じ主張ばかりです。

  • 節約(家計簿を付ける、車などは所有せずシェアリング…etc)
  • 副業・ビジネス
  • 節税(iDeCo、ふるさと納税)
  • 投資(米国ETFなどに長期投資)

しかし、お金を増やした先どうするか?まで述べられている本は少ないです。

本書が面白いのは、お金を増やすことではなく、お金を減らすこと【ゼロで死ぬことをゴールにする】が人生を豊かになると説いている点にあります。


DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

”ゼロで死ね”とはどういうことでしょうか?
著者が「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール」を通じて読者に何度も語っている要約をまとめてみました。

今しかできないことにお金を使う

旅のイメージ

本書で一番伝えたいメッセージは「今しかできないことにお金を使う」に集約されています。

過去に戻ってお金を使うことはできないですし、90歳になってから水上スキーをはじめるのは遅すぎます。
本書は夢を諦めて安定を追い求めている20代や、既に十分なお金があるのに、それほどやりたくもないこと(仕事など)をやって時間を消耗している人に向けられています。

「今味わえるはずの喜びを極端に遅くする必要はない」

この言葉には”想い出の配当”という人生を豊かにしてくれるメッセージが込められています。

”想い出の配当”を得るためには人生を最大限充実化させることにお金を使う

想い出の配当とは何のことでしょうか。

配当と聞けば真っ先に思いつくのが株式です。
企業の株式を購入することで、配当金が年に数回もらえます。
それと同じように経験から得られるのが”想い出の配当”です。

例えば、家族とはじめての海外旅行に行った時のことを思い出してみてください。
家族の嬉しそうな笑顔に囲まれて一緒にレストランで食事をしたシーン、綺麗な夕焼けを一緒に観た情景…。
どれも、脳にアクセスすることで瞬時にそれらが思い起こされ、とても幸せな気分に浸れます。

こういった想い出を作ることで、”想い出の配当”を死の直前まで受け取ることができます。
人は死の淵に立ったとき、これまでの記憶や思い出が走馬灯のように巡ると言われています。
人生最後の瞬間に自分の人生を振り返った時、何を思い出として残したいのかを今から逆算して一度考えてみても良いかもしれません。
やり残していることがあれば、前倒しで計画的に実行していきましょう。

思い出の配当を得るなら早いほど良い

本書では、人生を豊かにするのはお金そのものではなく、お金を使って得られた経験であると何度も述べられています。
しかし経験には無料でできるものもあれば、多少のお金を必要とするものもあります。

  • 旅行をするための航空券
  • コンサートのチケット
  • 起業という夢を叶えるための資金
  • 語学留学
  • 大切な家族や友人との食事
  • ピアノを習うためのレッスン費用
  • サーフィンをするために海の近くに移住

人生を最大限充実化させるために何をしたいかは、人それぞれですが、これらを先延ばしにすることで、想い出の配当が得られるタイミングが遅くなり、また生涯を通じて得られる頻度も少なくなります。

株式投資など資産形成も早く始めるほど良いとされ、時間の経過とともにリスクよりリターンが大きくなります。

思い出の配当も早ければ早いほど、多くを受け取れ、人生をより豊かなものにしてくれます。

歳を取るとお金を使う力が衰える

残念ながら歳を取るにつれ経験できることは減ります。
それは裏を返せばお金を使う力が衰えるということです。

また統計データからも老齢期では支出が減るとことも明らかになっています。

2018年のアメリカ従業員給付研究所による「高齢アメリカ人の資産と支出に関する調査」では、退職前に金融資産50万ドル以上の人々は20年後または死亡するまでにその資産の11.8%しか使っておらず、88%以上の資産を残して亡くなっている。という調査結果があります。

ほとんど多くの人達は老後が不安という理由でお金を貯めて、結局その貯めたお金を使うことなく亡くなります。

あなたは高齢期の病気や医療費が不安ですか?

誰しも老後に不安を感じています。
特に健康問題やそれにかかる医療費などです。

それらの人々の不安事を蹴散らすように、筆者は高齢期の医療のために若いうちにできる貴重な経験をお金を理由に我慢するべきではないと主張しています。

人はいつしか死ぬわけで、どうにも立ち行かなくなったら、いさぎよく「あの世で会おう!」と筆者は覚悟をもっています。

僕も同感で、老齢期の数年を病院のベッドや家で過ごす医療費のために、若いうちにできる経験を惜しんで、働きすぎたり、節約し過ぎる必要はないと思います。

ダライ・ラマ14世の有名な名言にDIE WITH ZEROに通じるものがあります。

「人間は健康を犠牲にしてお金を稼ぎ、次にそのお金で健康を取り戻そうとします。そして将来のことを心配するあまり現在を楽しむことができません。その結果、現在にも未来にも生きていないのです。あたかも決して死ぬことがないかのように生き、そして生きたことがないかのように死んでいくのです。」

重要なのは未来を恐れず、現在を楽しむことです。
不安の90%は外れるというデータもあるほどです。

そのためには十分に資産を作れたタイミングで、自分の残りの寿命から逆算して、貯めた資産を減らす方向に舵をきる必要があります。
もちろん、お金を闇雲に使うという意味ではなく、やりたいことを我慢してまで必要以上にお金を貯め込まない、追わないということです。

タイムバケットを作ろう

自分があと何年生きるのか?イメージします。
現在だと日本人男性の平均寿命は約81歳、女性は約87歳です。
※厚生労働省の「平成28年簡易生命表」より。

平均寿命はこの100年間で2倍に伸びています。
現役世代の方々は100歳まで生きる可能性も考慮した方が良いかもしれません。

その上で、タイムバケットを作ります。
タイムバケットとは、この年齢までにこれをやりたい、これを達成したいといったバケットリストに時間軸が加わった計画表です。

2007年のアメリカ映画「最高の人生の見つけ方(原題:The Bucket List)」は人生の終盤で友人と一緒にバケットリストを1つずつ考えて実行していく素晴らしい映画です。
タイムバケットの大切さがとても感じられる映画ですので、未視聴の方はぜひご覧になってみてください。(プライムビデオなら100円でレンタル視聴できます)

ゼロで死ぬ上での3つのポイント

個人的に本書を読んでゼロで死ぬという素晴らしい目標を達成する上でポイントになりそうなことを3つまとめてみました。

  1. なるべく早い段階で株式投資などはじめて十分な資産(個人によって額は違う)を作る。
  2. 純資産のピーク(額ではなく、タイミング)を設定する。そのタイミングを迎えたら、人生を充実する経験を増やすためにお金を減らす努力をする。
  3. もっとお金を稼げばもっと人生が豊かになると思い込まない。(富を必要以上に貯め込んでも多くの人は使いきれず、もっと早い段階で価値ある経験に時間を使えばよかったと後悔することが多い)

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まとめ

自分だけの時間

人生の仕事は「想い出作り」だと本書では何度も語られています。

だからこそ老後に向けてお金を貯蓄しようというのは間違っているとも主張しています。
貯めるべきはお金ではなく、想い出。
これを若いうちから意識できたらきっと素晴らしい人生が送れるのではないかと思います。

最後に、僕は本書は書籍ではなくAmazon Audibleを通じて耳から情報をインプットしました。
ナレーターの力強くも聞きやすい口調が自然と耳に入ってきました。
メッセージ性の強いフレーズが多いので、Audibleとの相性もいいように感じました。
時間の無い人は家事などしながら著者の熱いメッセージを聞いてみてください。


DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

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