【本要約】モンク思考-自分に集中する技術/今ここに在れ
2018年にミャンマーの第2の都市・マンダレーを訪れた時のことでした。
その時、偶然に17歳のモンクの見習い僧と目が偶然に合って、彼が手招きをしました。
「一緒に座ろう」みたいな感じでお互い腰を下ろすと、それから2〜3時間も初めて出会った見習い僧と話し込みました。
お互いの夢、今はどういう生活を送っているのか?等、両者拙い英語ですが、彼の振る舞いや落ち着きは、これまで出会った人の中でも特に印象的に覚えています。
今思うと、彼は今ここに集中していました。
一瞬の出会いを大切にして、見知らぬ外国人の僕との会話に全集中していました。
そんな経験からモンクに興味を持って読んでみたのが、今回ご紹介する「THINK LIKE A MONK モンク思考: 自分に集中する技術」(著者:ジェイ・シェティ/翻訳:浦谷 計子)です。
本書が伝えたいのは「執着を手放し自分と今に集中しよう」というメッセージです。
全570ページの中から、特に大切だと感じた部分を要約してみました。
この記事の目次
Be here Now(今ここに在れ)
過去や未来にばかり意識を張り巡らせると現在に集中できません。
未来は現在の積み重ねの先にあるものです。
執着は不安、心配、後悔を増幅させ、今ここに集中するのを妨げる原因となります。
無執着とは何からにも所有されていないこと
無執着とは何も所有していないことではなく、何からにも所有されていないことです。
無執着の最高の在り方は、あらゆるもののそばにいながらも、その物に振り回されずに支配されていない状態です。
この支配には物だけではなく、意識的なものも含まれます。
例えば、見るたびに買って後悔したという感情です。
これらの感情が発生する根本原因を含めて執着を手放すことで、心に集中することができます。
心に集中する具体的な方法(修行)
例えば断食や沈黙(瞑想)などの修行も執着から身を置き、心に集中する方法(本文では「修行」と紹介)です。
例えば宗教は異なりますが、イスラム教における断食の目的は以下のとり執着を手放すような意味も込められています。
- よりよい自分にする
- 自分自身を強くする
- 欲望を抑え意志を鍛える
自分の限界を超えた先に新たな気付きや発見があります。
様々な物の恩恵を受けて生かされているという事実を知ることができます。
全ては一時的に与えられたもの
全ては一時的に与えられたものであり、与えられたものを自分のもののように振る舞うのは執着している状態だと本書では書かれいています。
逆に無執着でいることは与えられたものへの感謝の念を強めます。
執着は恐怖を生み、無執着は恐怖を和らげる。家や家族、人間関係ですら全て借り物。この世は全てはかないものだと受け入れられれば、一時的にもその恩恵を与えられているというありがたみが実感できる。つい自分の力や努力で得たものは自分のものだと錯覚してしまうが、(自分が)得たものも他人からもたらされたものだ。
それに執着するからこそ心が乱れ、争いや嫉妬といった負の感情がうまれるということでしょう。
2つのことを覚えて、2つのことを忘れる。
- 覚えておくべきは自分が他人にやった悪行と、他人が自分にしてくれた善行
- 忘れるべきは自分が他人にやった善行と、他人が自分にやった悪行
自分はこんなにも尽くしたのに、あの人はなぜ自分に尽くしてくれないのだろう?自分を特別扱いしてほしいのに…などというものはエゴでしかありません。
また他人の悪行悪態を見たり受けたりしても、それと自分自身の感情は切り離すことを実践してみましょう。
相手のこれまでの経緯や背景などを鑑みて相手の成長や、やってきた善行に目を向けてみることで感情に支配されずにすみます。
重要なの何にも(ネガティブ思考や感情など)自分は支配されないという心です。
あらゆる物から支配されなければ、Be here Now(今ここに在れ)が示す通り、自分と今に集中することができます。
↓冒頭の17歳のモンクの見習い僧。笑顔が印象的でした。