【本要約】GIVE & TAKE/成功するギバーは自己犠牲ではなく他者志向

GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代

今回ご紹介するのは「GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代」(著者:アダム グラント/翻訳:楠木 建)です。

惜しみなく相手に自然と与えることができる人がいます。
本書ではそういった人たちを「与える人=ギバー」と紹介されています。
ギバーは与えた以上のものを受け取ることができる存在です。

「与えることで返ってくる」ということは、返報性の法則や因果応報など、自然界の原理原則でもよく見られることです。
例えば空は海や山々に雨を降らせ、その雨は川や海に戻り水蒸気を作り、空に登り雲を作り、また再び雨を降らせる。

こう見ると世界はGIVE & TAKEで成り立っているのかもしれません。

自然に生きるものとして、自分が受け取ったものを周囲にうまく還元することができれば、自分の周囲もさらに良くなり、自分自身も良くなる事につながります。


GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代 三笠書房 電子書籍

3つ属性で最も成功するのはどれか?

  • ギバー:人に惜しみなく与える人
  • テイカー:真っ先に自分の利益を優先させる人
  • マッチャー:損得のバランスを考える人

多くの場合、ギバーが成功するに違いないと思うかもしれません。
確かに最も成功するのはギバーでもありますが、最も失敗するのもギバーであると本書では書かれています。

なぜ成功するギバーもいれば、失敗するギバーもいるのでしょうか?

そのキーワードは「自己犠牲ではなく他者志向」です。
全382ページの中から、僕が特に大切だと感じた部分を要約してみました。

目指すは自己犠牲ギバーではなく他者志向ギバー

まず最初に1つ質問します。

あなたが、人脈ネットワークを作ろうと思った時に、それは自分のためですか?
それともあなたの周囲(グループやチープ)のためのですか?

本書では人脈ネットワークは、自分のために作るものではなく、全ての人のために価値を生み出す道具であるべきと書かれています。

どうしても自分のためだけに動いている人というのは、他人からはすぐに見透かされ、あまり応援や協力をしたいとは思われないものです。

これはCAMPFIRE(クラウドファンディング)で大勢の支援者が集まってるプロジェクトと、まったく支援されていないプロジェクトを見てもよく分かります。
成功しているプロジェクトは、自身のためというよりは社会や地域貢献のために情熱をもって取り組んでいるのが伺えます。
逆に支援の少ないプロジェクトは、自分自身の成功のためにやっているようなプロジェクトです。

成功したギバーに共通している点として、人がやりたがらない事をグループ全員が得をするようにパイを大きくし、自分個人の利益よりもグループにとって最善の利益になる事をする。

目指すは他者志向ギバーなのです。

自己犠牲ギバーの特徴とは?

逆に失敗してしまうのが自己犠牲ギバーです。

本書で紹介されていた研究結果ではギバーは与えることで疲弊するのではなく、与えた結果、他者や物事に貢献している実感がないことで疲弊します。

その結果、モチベーションや生産性が落ち、さらに悪い負のスパイラルに突入していきます。
この場合の対策としては、与える対象や環境を変えることで全く同じことをやっても、周囲からの反応も変わり、再び元気を取り戻したという事例が紹介されていました。
(高校教師のお話で、それまで教えていた対象を高校生から大学生に変えた事例)

自己犠牲に陥らないタイムマネジメント

多くの人は「自分の時間が奪われる」と感じる時、自己犠牲を感じます。

自己を犠牲にしても頑張れる対象があれば問題ありませんが、それほど強く望まないケースが大半です。
ここで必要なのは持続可能なギバーのタイムマネジメントです。
下の2つの選択肢から、どちらのほうがより幸福感やモチベーションを高く維持できたか選んでみてください。

  • 週に1日だけ他者のための時間を5時間つくる
  • 週に5日、1時間ずつ他者のための時間を設ける

疲弊しなかったのは前者(週1日だけ5時間つくる)です。

ここで本書で紹介されていたエンジニアの例を出すと、毎日誰かから依頼を受けて対応していると自分の業務が進まないストレスに見舞われます。
このエンジニアは週3日は自分の仕事に打ち込む時間を作り、その他の時間は人からの相談を受けるようにしたら、生産性がアップしたそうです。

自己犠牲ギバーは燃え尽きやい特徴があります。
誰にも邪魔されない自分だけの時間を作ることは、自己犠牲に陥る事を防ぐことができます。
思い切って周囲に、月曜日は自分の仕事に集中すると伝えてみるのも手かもしれません。

搾取されるギバーは自己利益を犠牲にし、他者に勝たせる思考

スポーツの世界では一方が勝ち、一方が負けるというゼロサム・ゲームですが、ビジネスの世界ではWin-Winが成り立ちます。

ポイントになるのは相手視点を持っているかだ。相手の視点にたって、パイを大きくする、双方にとってWinになるにはどうするか?そう考えることで一歩踏み込んだ考えや提案ができる。起きている時間の大半を仕事に費やしてる私たちが、ほんの少しでもギバーになったらもっと大きな成功や豊かな人生、より鮮やかな時間が手に入るだろうか。それはやってみるだけの価値はある。

頼り合うことは弱さではありません。

むしろ、頼りあうことは強さの源であり、多くの人々のスキルをより大きな利益のために活用する手段であるとも書かれています。

続きは本書をぜひ読んでみてください。


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