【本要約】日本のシン富裕層 なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか/人と情報がすべて
今回ご紹介するのは「日本のシン富裕層 なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか」(著者:大森 健史氏)です。
著者である大森氏は富裕層向けの海外移住コンサルタント会社を経営しています。
これまで2万件の相談実績があり、数多くの富裕層と接してきた中で、近年、日本の富裕層に変化がおきていると本書で紹介されています。
現代の富裕層は一見どこにでもいる「フツーの人」だそうです。
なぜ彼らは富裕層になれたのか?
そのプロセス、思考法、エッセンスが活用できれば、富裕層になれる可能性はゼロではありません。
全218ページの中から、僕が特に大切だと感じた部分を要約してみました。
日本のシン富裕層 なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか (朝日新書)
この記事の目次
富裕層は5タイプ
富裕層には大きく5つのタイプがあります。
- ビジネスオーナー型
- 資本投資家
- ネット情報ビジネス型
- 暗号資産ドリーム型
- 相続型
このうち、シン富裕層とも呼べるべきタイプは以下の2つです。
- ネット情報ビジネス型
- 暗号資産ドリーム型
ネット情報ビジネスはスマートフォン以前から、あるものですが、現代はYouTuberやオンラインサロンなど手を変え品を変えて一般社会に浸透しています。
暗号資産ドリーム型はビットコインがTVやメディアでも報道されないうちから、ブロックチェーン技術などに未来を見出し、先行投資していたアーリーアダプターと、その人とたまたま友達だったラッキーな人達が突然、億り人になったパターンです。(もちろん、その裏で大きく損をした人も沢山います)
これからシン富裕層になるためには?シン富裕層に共通していること
ではこれから、僕たちがシン富裕層になるために何をするか?
その思考法や行動パターンにいくつか再現性のヒントがあります。
【1】信頼できる人脈と情報が重要
少しスピリチュアルな話になりますが、成功者や富裕層に多いのが「自分は運が良かった」と言う人です。
運って何でしょうか?───「運ばれてくるもの」です。
たいてい、運は人から運んできてくれます。
本書に紹介されていたシン富裕層の方は、暗号資産が出始めた頃にたまたま周りに詳しい友人がいて、その友人から教えてもらったことを、ためしてやってみたら億り人になったそうです。
信頼できる人脈を広げて、情報に対してもっと積極的に取りに行く必要があります。
【2】即決して失敗と成功の両方を手に入れる
暗号資産が出始めた頃、怪しいとか様子見とかで行動できなかった人は大勢いると思います。
僕もその一人です。
結局、行動しなければ失敗も成功もつかめません。
シン富裕層に共通しているのは、その場で即決できることです。
決断しなければ前には進めません。
今日からでも、即決・決断するトレーディング習慣をつけましょう。
- 何か食べたいものない?と聞かれたときに何でも良いは言わない
- 仕事や遊びのプランが人から降りてくるのを待たずに、計画して提案する
- 何かのメニュー表があったら、選ぶ基準(一番安いものを選ぶなど)を作っておき、反射的に選ぶ
- 買い物に対しても即決する(これも即決購入する基準を作っておく)
即決するにおいて、必要になるのは情報量と判断基準です。
基本的にシン富裕層はこの2つが凡人とは違います。
例えば情報量は多すぎると決めることができずに慎重になります。
「一度持ち帰って検討します」と答えて決断を先延ばしにするのは、失敗をしたくないからです。
失敗した時に許容できるリスク(情報量)があれば、決めることはできます。
また情報量が少なく、分からないものを決める時は判断基準を先に設けておけば、決めることができます。
判断基準も複数あると決めきれないので、シンプルに一つ究極的なものを作っておくのも手です。
例えば───
「これは自分や家族の幸せにとってプラスだろうか?」など
【3】専門家にお金を払える人
著者がコンサルタントという職業ということも関係しているかもしれませんが、専門家にお金を払える人というのもシン富裕層において必要な要素になると書かれています。
やはり失敗も成功もたくさん見てきた専門家からのアドバイスは時間の節約にもなります。
ここで注意したいのが、値切ってしまう人です。
モノは値切って手に入れても価値は同じです。
しかし、人から受けるサービスを事前に値切ってしまうと、受け取れる価値は損なわれる可能性があります。
少し多めにお金をいただければ、その分、少し色を付けてお返しをしようと思うのは人間の性です。
逆にタダで何でも取ろうとする人は受け取るものがなくなります。
GIVE & TAKEではなく、GIVE & GIVEの精神をもつことが大切です。
【4】詐欺師を見破る力
お金を手に入れると、どうしても詐欺師につかまる機会も増えます。
せっかく手に入れたお金を失わないためにも詐欺師を見破る力がシン富裕層には必要になってきます。
著者は詐欺師を見破る上で簡単なテクニックを紹介していました。
- 過去にどんな仕事をしていたか経歴を聞く(ここでフワッとした回答だったり、突っ込んで質問して二転三転したら要注意)
- FacebookやSNSのカバー画像などに、不特定多数の人物が掲載されている(たくさん人から信頼を得ていると思わせたい=裏を返せば、そう思わせないと人から信用されない)
即断、即決をあまりに意識しすぎて、詐欺師の手口に捕まらないように、一歩ひいいた目で見る癖も同時につけておく必要があります。
【5】すべてを「投資」で考えられる人
「投資といえば暗号通貨、株式、債権、不動産!」と画一的に考えていては抜きに出ることは難しいです。
言ってみれば資産価値が上がり、高額で売買されているものは投資対象です。
- 車
- スニーカー
- ジーンズ…etc
最近では昭和レトロブームもあり、カセットテープやレコードなんかも中古市場が活況です。
この先の長期的なトレンドや世界情勢の中でプレミアム化されるものは何か?
海外の富裕層が手に入れたいものは何か?
今後10年でどういったニーズが高まるのか?
これらに着眼して投資することで、大きな先行リターンを得ることができます。
本書では東京都心の自宅マンション投資の例などもありました。
東京五輪以前から都心駅チカ物件は値上がりしており、有名な投資対象ではありますが、実際に「居住用財産3,000万円控除」などを活用して、節税しつつ利益を得ているシン富裕層はいます。
この制度はいつまで続くかはわかりませんが、うまく活用すれば数年スパンで理想的な環境に住み替えながら、大きな利益を出せるチャンスです。
ただ、この数少ないチャンスに対して実際に行動できるかできないかが、凡人とシン富裕層との分かれ道ですね…
(僕も自宅マンション投資で言えば地震、ローンを組んで購入したマンションが値崩れした時など考えるとリスクを取れない派です)
富裕層になった先は海外移住! 人気の海外移住先はドバイやタイ
富裕層になった先にあるのは海外移住です。
手持ちの暗号資産などが1億、10億と桁違いの資産価値となったため、日本国内で現金化せず節税のために海外移住する選択をとるそうです。
海外移住=憧れの住みたい国という意識もシン富裕層には薄く、条件にあう国に軽いノリで即決し、その際にリスクヘッジとして3〜4カ国の永住権やビザを取得します。
特に日本のシン富裕層に人気の海外移住は6ヶ国あります。
- ドバイ
- タイ
- ポルトガル
- アメリカ
- オーストラリア
- シンガポール
これらの国に共通している3項目は───
- ビザ取得の難易度が比較的容易(特にタイ、ポルトガル)
- 全世界所得課税方式を不採用(アメリカ、オーストラリアは除く)
- 滞在義務が比較的ゆるい(オーストラリアは5年間のうち2年間は滞在)
特にポイントになってくるのが全世界所得課税方式です。
全世界所得課税方式(全世界課税)とは、その国の居住者が、その国で稼得した所得のみならず、その国以外の国で稼得した所得も含めて、全ての所得に対して課税を行う方式です。
引用元:https://direction-tax.com/post-1334/
ですので、全世界課税を採用していない国に移住することで、ドバイに住みながら日本やドバイ以外での海外ビジネスや投資での得たお金は非課税となります。
これは投資をされている人からすると非常に大きなメリットになります。
日本では株式投資で得た運用益に対して20.315%が課税されます。
暗号資産についても最高で45%、住民税・復興特別所得税を合わせると55%もの税率が課せられます。
特に日本にこだわりがなければ、富裕層はタックス・ヘイブン(租税回避地)への移住は自然な流れです。
世界的にみても、この流れは加速しており、人気の海外移住先は富裕層からの投資が増える一方で不動産や物価高騰などの煽りを得て、国民感情などに配慮し、ビザ発給条件や更新内容の厳格化が進み、シンガポールやマレーシアなどはどんどん移住条件が厳しくなってきています。
まとめ
まとめると、シン富裕層になるためには、なるべく早いタイミングで資産価値が大きく上がるものに対して致命傷にならないレベルで大きく投資するです。
今だとWeb3の代表である暗号資産、メタバース、NFTなどでしょうか。
特に暗号資産はブームが落ち着き、大きく値を下げています。
投資タイミングを見極めるのは非常に難しいので分散投資を基本に、本業と副業のダブルインカムで入金力をあげてコツコツ投資するのが一番堅実かなと思います。
(分散&コツコツでも、シン準富裕層にはなれそう)
昔からお金持ちになるにはビジネスオーナーか資産家かその両方と言われてきた通りで、それはシン富裕層も同様です。
その投資対象が暗号資産であったり、ビジネスモデルが一人で始められるインターネットビジネスであったりするだけです。
正直、知っていることですが、知っているとやっているでは天地の差があります。
本書の後半は海外移住に関する情報も豊富で、夢の膨らむ内容でした。
よかったら続きは本書をご覧ください。
日本のシン富裕層 なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか (朝日新書)
あとがき〜海外移住先でのシン富裕層は幸せなのか?

僕はシン富裕層の移住先に人気のドバイ、タイ、アメリカ、ポルトガルに行ったことがあります。
特にドバイは住み続けて楽しい街、幸福を感じられる街なのかなぁと思ってしまいます。
ドバイは砂漠の中に無機質なビルと巨大なショッピングモールがある街です。
いってみれば街全体が巨大なイオンモールみたいな感じです。
どこに行っても同じです。
意外ときれいなビーチもありますが、外は気温40度にもなる灼熱地獄です。
四季はおろか、湖や森などの自然もありません。(あっても人工で作られたもの)
例え節税ができて、眺めの良いタワマンに住めても、ドバイで生活するのはキツイだろうなぁって訪れた時、そう感じました。
逆にタイは一度は住んでみたいなぁと思います。
結局、食事や交友関係、医療体制、自然と都市のバランスなど鑑みると、住むなら日本が一番幸せなんじゃないかと思います。
僕は世界一周をして半年で日本が恋しくてたまらなくなったので、シン富裕層の人達の海外移住後の生活が詳しく知りたいなぁと最後に感じました。