【本要約】ダークホース/成功よりも充足感を優先しよう
あなたは「自分が好きなことは◯◯◯だ!」と言語化して人に伝えられるくらい理解していますか?
もし、自分の好きなことがあまり理解できていなかったり、好きなことと今やっている仕事に関係性がないかもと感じている人は、ぜひ本記事を最後までお読みいただき、ダークホース的な考え方を参考にして、これからの時代の新しい成功を目指してみてください。
今回ご紹介するのは「Dark Horse(ダークホース)好きなことだけで生きる人が成功する時代」(著者:トッド・ローズ オギ・オーガス/翻訳:大浦千鶴子)です。
ハーバード大学で学者としても活躍している著者・オギが取り組んでいた「ダークホース・プロジェクト」を分かりやすくまとめたのが本書になります。
本書が伝えたいのは「成功よりも小さなモチベーションと充足感を優先しよう」というメッセージです。
全318ページの中から、僕が特に大切だと感じた部分を要約してみました。
Dark Horse 「好きなことだけで生きる人」が成功する時代 (三笠書房 電子書籍)
この記事の目次
そもそもダークホースとは?
ダークホースとは端的に表現すると、「標準化システムから外れ、充足感を追求した後に成功した人」です。
今や人々は、ゆりかごから墓場まで全て標準化されたシステムの中で生きています。
学校や会社などはその最たるもので、例えば工場やサービス業などでは、誰がやっても同じパフォーマンスやクオリティが発揮されるように最適化された仕組みの中で働いています。
誰がやっても同じ仕事には充足感はありません。
そこに違和感をもち、もっと自分の個性や好きを追求し、充足感を求めて大胆な行動に出た人たちが成功する時代へと変わってきています。
「なにか違う」と思う小さなサインを見落とさない
ダークホースたちは最初からダークホースだったわけではりません。
ダークホースたちが辿ってきた道に共通していたのが「自分の人生に対する違和感」でした。
退屈や欲求不満、自分の能力や強みをいかしきれていないと何年も悩んだ結果、それまでの一本道のレールを外れ、大胆に進んで行きます。
標準化システムの中で生きていると、違和感すら感じなくなるようになり、自分の中に本来ある野心や欲望に蓋を締めてしまっている可能性もあります。
今の状況に違和感や疑いの目で見てみると、「今の私は目指したい私ではない」と気付くかもしれません。
ダークホースになるためには、その違和感に気付き、自分の中に眠る小さなモチベーションを追求することが大切になります。
大きな情熱ではなく小さなモチベーションから充足感を追求しよう
小さな違和感に気付いたら、いきなり最初から大きな情熱をもって目的地を見つけようと必死になる必要ないと本書では書かれています。
コリン・ベロックはアメリカのテキサス州で育った。大学卒業後はワシントンで議員のアシスタントになる。それから十年が経ち、自分が本当にやりたいと思っていたことは本質的に違うのではないか?という違和感に気付いた。コリンは物事を取り仕切ったり整理(オーガナイズ)するのが好きだった。全ての本を色分けしたラベルを付け、本棚を視覚的に分類したり、何かが雑然となっていると整理して並びなおして整理することに高揚するのが自分の小さなモチベーションになっていた。その後、コリンは政治の仕事を辞めて、物理的な空間(オフィス、キッチン、クローゼット、食料庫など)を整理するビジネスを起ち上げ、自分が本当に好きなことで多くの顧客に貢献するという充足感をついに得た。
本書で紹介されているコリンは自分の小さなモチベーションになっている本質は何か?を業務レベルから俯瞰した結果、答えにたどり着きました。
これから学べる点としては、”自分が好きなこと”と”本質的に好きなこと”では少し違いがあるということです。
自分が好きなこと
- 絵を描くこと
- 料理
- 読書
自分が本質的に好きなこと
- 絵を描くこと→自分を表現し、沢山の人に何かメッセージを届けたい
- 料理→クリエイティブな創意工夫をするのが好き
- 読書→新しい知識を学ぶことが好き
本質的に好きなことがことが理解できれば応用がききます。
漫画家やプロの料理家になれなくても同じくらい充足感を得る道を探すことができます。
自分の小さなモチベーションを見つける方法
自分の中に眠る好きなことや小さなモチベーションを掘り出すことはダークホースになる上でマストになります。
そこで小さなモチベーションの見つける方法を1つご紹介します。
3ステップの判定ゲーム
あなたはこの一週間を振り返ってみて、他者をジャッジ(評価)した瞬間を覚えていますか?
家族、職場の同僚や上司、レジ係りの接客、YouTuber───他者と接する中で、多くの評価をしているはずです。
判定ゲームの目的は他者に対する自分の直感的な反応を使って、あなたの心の奥底にある心の琴線に迫り、その源までたどり着くことです。
この判定ゲームは下の3ステップで構成されています。
- あなたが他者を評価している瞬間を意識すること
- 他者を反射的に評価しながら、どういう気持が湧いてきたか見極めること
- 他者に対してなぜそのような気持ちが湧いたか自問すること
例えばTVでお金持ちの生活ぶりを紹介している番組を見た時、多くの人は視聴しながら、そのお金持ちを反射的に評価します。
そこには肯定的な評価、否定的な評価、どちらでもない評価の3つが存在します。
「こんな生活を送ってみたい」と思った人は、おそらく富や名声を手に入れることに対してモチベーションが湧くタイプです。
一方で「こんなお金持ちになったら、仕事や人間関係で大きなストレスを抱えそうだな」と思った人は、富や名声よりも心の平穏を求めていることになります。
充足感は人それぞれです。
刺激的な仕事や生活を好む人もいれば、一人で没頭できる仕事や静かな生活に大きな充足感を感じる人もいます。
自分の気持ちに正直に向き合い、モチベーションが高まるポイントを正確に理解する必要があります。
人生の目的地のことは一度忘れて、今充足しているか自問してみよう
最後に、個人的に「なるほど確かにそうかも…」と思ったメッセージをご紹介します。
それは目の前のことに集中する意義です。
ダークホースたちに共通しているのは、目的地よりも今、充足感を得られる方に集中するという点です。
よくその道の成功者の口から「最初から今みたいになるとは思っていなかった」と聞いたことがあると思います。
本書では多くのダークホースになった人々が紹介されています。
- 未経験からフラワーデザイナーに転向した女性
- 博士課程から離脱した野鳥観察者ガイド
- 製造工場勤務から憧れのミュージシャンの音響技師になった女性
- 高級紳士服のテーラーとして起業した男性
紹介されているダークホースのエピソードを読むと、彼ら彼女らの成功の裏には小さなモチベーションの連続体の先にあると理解できます。
進みたい方向にだけ大胆に軌道修正したら、後は充足感を追い求めて突き進む───
これは僕が世界一周をした時の旅の感覚に似ているように感じました。
旅の目的地は、あるようでないものだったりします。
目的地に行くことよりも、その過程にこそ大切なものがあり、それを得るために旅をしていました。
充足感の先に成功というゴールがあると本書では書かれていますが、まさにそんな感じです。
目的地に到着するために旅をしている訳ではないです。
旅も人生も…「充足感>目的地」なのかもしれません。
一旦、目的地のことは忘れて今、充足しているか自問し、もし違和感を感じれば、小さなモチベーションを見つけ充足感を追い求めましょう。
その先に成功が”おまけ”として待っています。
標準化システムの中に組み込まれた現代の僕たちが忘れてはいけない気付きが本書では沢山紹介されていますので、ぜひ続きは本書を手にとってお読みください。