DIE WITH ZERO実践!貯蓄率を20%に下げてFIRE導入を緩やかに
ベストセラー書籍「DIE WITH ZERO」のメッセージは、お金をゼロにして死ぬことが人生において大切というものでした。
その背景としては、好きでもない仕事や会社に多くの時間(ライフエネルギー)を捧げ、必要以上のお金を稼いでも、死ぬまでに使い切らなければ、無理をして働いた時間さえも無駄になり、最後にそれに気がついたときには遅すぎる(年齢による体力、気力の衰えなどからお金を使う力も衰える)というものです。
であれば、中年期(まだ十分に若く、体も動ける)頃からは、本当に自分がやりたかったことや価値あることにお金と時間を使うことが、人生を充実させる上で大切であり、死ぬ前に後悔しない生き方になると本書では伝えています。
DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール
この記事の目次
日本人の相続財産額から見るDIE WITH ZEROの難易度
2020年MUFG資産形成研究所が行った調査によると、日本人の相続財産額の中央値は1,600万円(平均は3,273万円)です。
内訳は有価証券と現金預金が50%以上を締めています。
※引用元https://www.tr.mufg.jp/shisan-ken/pdf/kinnyuu_literacy_11.pdf
実に死ぬ前に1,000万円以上もお金を残して亡くなっている人が大勢いるのが現実です。
また野村総研の2021年の日本における純金融資産保有の調査によると、日本人の富裕層、準富裕層、アッパーマス層は「アベノミクス」が始まった2013年以降、一貫して増加を続けて、同調査開始以降で過去最多となっております。
よって、この相続財産額は今後、ますます増えていくかもしれません。
DIE WITH ZEROの素晴らしさは感覚的に理解できても、いざ実践するのは資産取り崩しという心理的ハードルの高さから、難易度が非常に高いのが現実です。
DIE WITH ZEROを実践するために、まず貯蓄率を下げてみる
- DIE WITH ZEROを実践したい!
- 資産のピークは金額ではなく、時期…でもその決断や覚悟ができない…。
- もっと働けばもっと資産が増えて、より豊かなになれるのでは?
僕も書籍を読んでからずっとこう感じてきました。
そして、たどり着いた答えは「まずは貯蓄率を下げる」というマイクロ・ステップでした。
新しいチャレンジや習慣を身につけるためには、その行動に伴う心理的ハードルを思いっきり下げる「マイクロ・ステップ」が効果的です。
例えば…
ダイエットを習慣化したい場合、まずは腹筋を1日1回だけやって終える。
読書を習慣化したい場合、本のページを1行だけ読んで終える。
いきなり、明日からFIREはできないし、資産に手を付けるのも抵抗があります。
行動経済学では損失回避バイアスと呼ばれ、得ることより失うことの方が人間は大きく見積もります。
資産取り崩しはなかなかできないので、まずは毎月の貯蓄率「収入-支出の割合)を今よりも減らすことから初めてみます。
貯蓄率は20%でも十分
FIREを目指している人の中には50%を超えるような非常に高い貯蓄率を維持している人がいます。
ある程度、資産が増えてくると複利効果で、高い貯蓄率(入金力)を維持しなくても資産形成スピードは高まります。
だから十分に資産を作り上げた人は、まず貯蓄率を緩やかに減らしていくことがDIE WITH ZEROへと繋がります。
では貯蓄率をどれくらい減らすか?───
参考になるのが、アメリカの議員エリザベス・ウォーレン氏が提唱した家計の黄金比率50:30:20ルールがあります。
- 50%:NEEDS(住居費、光熱費、通信費、交通費)
- 30%:WANTS(娯楽、趣味、ショッピング)
- 20%: SAVINGS(貯蓄、投資)
例えば手取り収入が30万円の場合は下記のような金額になります。
- 15万円:生活費
- 9万円:娯楽費
- 6万円:貯蓄
この比率で家計を管理していると、着実に収入に見合うだけの資産を作りながら、生活ができるというものです。
高い貯蓄率を推移してきた人は、まず貯蓄率を20%までに減らしてみてはいかがでしょうか。
貯蓄率を減らすにはアプローチは2つしかありません。
徐々に労働時間などを調整して入金力を減らすか、節約しすぎた生活を見直すなどして支出額を増やすかです。
週3〜4日勤務の契約社員などになっても良いですし、もう何かに我慢してお金を節約し過ぎることもないので、気持ちもラクになります。
具体的な貯蓄率を下げるためのアイディア
貯蓄率を下げるためにいくつかアイディアがあります。
これは、一般的に「お金が貯まらない」と言われることを、あえて選択して実行することです。
- 利便性や住みやすい人気エリア、より広い住居に引っ越しをして毎月の家賃を引き上げる
- 衝動買いする(決断を先送りにせず、欲しいという気持ちを我慢しない)
- 自分へのご褒美を頻度に与える
- すべての選択肢のグレードをワングレード上げる(飲食店、ホテル、服、食品etc)
経営コンサルタントの大前研一さんの著書『時間とムダの科学』では人間が変わる方法は三つしかないとされています。
- 住む場所を変える
- 付き合う人を変える
- 時間配分を変える
僕は貯蓄率を下げるための一番良いアイディアは、家賃が高くなるとしても住みたい場所への「引っ越し」だと思います。
引っ越しをすることで住む場所が変わり、通勤や移動距離の変化から時間配分が変わります。
また場所が変われば付き合う人も変わります。
もし貯蓄率(SAVINGS)が50%の場合、30%がNEEDS、20%がWANTSというような配分になると思います。
この場合、今の収入の20〜30%分までを上限にNEEDSの家賃に上乗せしても良い訳です。
よりよい環境に引っ越すために貯蓄率を下げることは人生の変化のキッカケになります。
まとめ
大きく変えることは人間は抵抗があります。
その場合は小さな一步、小さな変化を促す「マイクロ・ステップ」が有効です。
小さな一滴でも、水面に落とせば、波紋として伝わり、円形に大きく広がります。
まずはこの一滴を落とさない限り、現状に変化はおきません。
DIE WITH ZEROに向けた「マイクロ・ステップ」を見つけてみてはいかがでしょうか。
もし、あなたも行ってみたい場所への引っ越しやノマド的なライフスタイルを望んでいるなら、まず手始めにホテルのサブスクサービスなどを利用するのも手です。
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