経済的に自立しながら早期リタイアを目指すFIRE(Financial Independence, Retire Early)がムーブメントになっています。
アメリカ・トリニティ大学の研究によると、年間支出の25倍の資産を年利4%の運用益で生活費をまかなうことで、95%の確率で30年後も資産が底をつかないというものです。
例えば米国株式市場の年平均リターンは約7%で、インフレ上昇率3%を考慮しても年利4%の運用益は現実的です。
4%ルールとも呼ばれ、働かなくても好きなことをして暮らせる夢のようなライフスタイルとして若い世代にも支持されています。
僕は30代に1年間、世界一周ノマドワーカーとしてセミリタイアしました。
1年間にかかった総額は300万円くらいです。(カメラ機材、ワクチンなど準備費用40万円は除く)
旅をしながら友人でもあるクライアントのEC運営をリモートでやったり、このブログなどを書いたりして生計を立ててました。
FIREを達成しなが世界一周する場合、年間支出300万円×25倍=7,500万円を米国ETF(VTIやVOO、QQQ)などで運用すれば、世界中を旅しながら一生働かなくても遊んで暮らせる計算です。
※VITやVOOは過去10年間(2011年〜2020年)で年率約13%のリターン実績。
※リタイア直後不運にも株価暴落となった場合、株式を売るのはポートフォリオが大きく毀損するため、対策として5年ほどの生活費(月支出が20万円なら1,200万円)は運用資産とは別に現金として持っておくと安心です。
※完全リタイアしない場合、必要な現金クッションは月支出-月収入(配当金や副業収入)×5年分の現金で良いので、サイドFIREならハードルも下がります。
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この記事の目次
FIRE達成で世界一周するには運用資産5,000万円あれば可能
僕が世界一周をしたのはコロナ禍前で、日本の最強パスポートをフル活用して50各国程度訪問しました。
まず世界一周しながらFIREリタイア生活をする上で必要なお金を算出してみます。
世界一周(年間支出300万円)の内訳
- 交通費(飛行機、電車、バス、船など):115万円
- 宿泊費(ゲストハウス、ホテル):53万円
- 食費(自炊、外食):36万円
- 観光費:34万円
- 雑費(衣類、日用品、現地SIMカードなど):52万円
合計:290万円
※為替相場やインフレを考慮すると現在は上記金額では収まらない可能性もあります。(また旅のスタイルにより費用は全然変わってきます)
支出の大部分を交通費が締めています。
僕はいわゆる移動型バックパッカーとしてアグレッシブに転々と世界中を旅していたので、もう少し一箇所に長く居座るような旅のスタイルなら、移動費もかなり抑えられると思います。
物価の安い東南アジアや東欧、南米などを中心にFIREリタイア生活をするなら、1年間で200万円もあれば生活はできそうな気がします。
その場合の必要資産は200万円×25倍=5,000万円です。
年間支出100万円ごとに必要資産は2,500万円も違ってきますので、支出を抑えられる国や地域で生活をすれば、FIREリタイア生活のハードルを下げることができます。
働かずに旅をする世界一周リタイア生活は長く続けられるのか?
働かずに生活できるだけの配当金や運用益を生み出されるマネーマシーンを完成させたとします。
もう、いったい何のためにやっているか分からないような仕事(BSJ/ブルシット・ジョブ)やライスワーク(日々の生活を続けるため)を目的に働く必要はありません。
しかし働かずにずっと世界一周を続けるのは普通の精神状態の人にはムリです。
働かずに生きるって人間の遺伝子にそれを拒絶するようプログラムされているくらい僕にはムリでした。
確かに働かず自由きままに好きなところに行き、好きな物を食べて、好きな時に寝て、好きなように海外で暮らす生活は最初はとても刺激的で楽しいものです。
今まで味わったこともない程の自由な時間を手に入れられます。
でも実際に世界中を転々としていた僕の経験から言えることは、そんな生活は1年と言わずも3ヶ月もすれば、かなり満たされます。
半年も立てば、社会にとって何も役に立てない自分という存在がちっぽけに感じ、
「もっと人に喜ばれることをしたい」
「誰かの役に立ちたい」
「社会や仲間と接点を持ちたい」
「誰かに認めてもらいたい」
「もっと成長したい」
とマズローの5大欲求が洪水のように押し寄せてきます。
世界一周中におけるマズローの欲求5段階説
世界一周中はマズローの5大欲求の頂点にあたる「自己実現欲求」は満たされますが、それ以外の屋台骨となる「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」に関しては大部分が失われます。
それが長時間続くので、とても辛くなってきます。
仮に「働きたくない」という理由だけでFIREを目指して何のプランもなくセミリタイア生活に入った場合、「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」は満たされない状態が続き、金銭的に問題がなくても精神は病み、健康まで失うかもしれません。
週末がワクワクする理由
話は少し変わりますが、週末ってワクワクしますよね。
- 一週間頑張ったご褒美に、ちょっと美味しい物でも食べに行こうかな。
- 映画館にでも行こうかな。
- サイクリングにでも出かけようかな。
- 温泉やサウナにもで行ってリラックスしようかな。
でも毎日、毎日豪華なフレンチばかりを食べていたら飽きます。
非日常だったものが日常になると、それはもう特別なことではなくなります。
特別感のないものに人はワクワクはしません。
休日は1週間の中でも特別な日です。
でも毎日が休日ならそれは特別ではなくなります。
セミリタイア、海外移住、世界一周などもそれが続けば特別ではなくなります。
あくまでもこれらは自己実現するために選択する手段であり、セミリタイアすること自体が目的にになっては長くは続きません
幸せなセミリタイア生活とは?
まず重要なのは完全リタイアをしないことです。
- 今の仕事をしていては、期日までに自分のビジョン達成が難しい。
- もっと自分の時間を捻出して、新しい自分の仕事や挑戦をしたい。
などセミリタイアはあくまで手段の一つとして捉えましょう。
そういう意味でも完全なFIREを目指すよりも、まずは年間支出の12.5倍の運用資産を貯めて、残り半分は自分のやりたい副業などで生計をたてるサイドFIREの方が、持続可能なセミリタイア生活が送れると思います。
働きながら世界一周セミリタイアするための幸せな条件
- 運用資産:年間支出200万円×12.5倍=2,500万円
- 副業での月額目標収入:80,000円
※年間支出200万円の場合
もちろん、世界一周しなくても日本国内でも年間支出200万円で一人暮らしなら不可能ではないと思います。
ちなみに僕は現時点で副業一本に絞ろうとは思っていません。
個人事業主、会社員と経験しましたが、会社員には会社員のメリットが沢山あります。
会社に所属しているからこそ出会える仲間、目指せる世界や見える景色もあります。
人生100年時代と言われる現在で仮に30、40代でアーリーリタイアしたら、残りの余生70〜60年間も何をしますか?
何か成し遂げたいものがないと、リタイア生活に耐えられなくなります。
世界一周という小さな夢を追いかけてひたすら動いていた僕ですら1年間が限界でした。
資産を貯める以上に人間の全ての欲求を満たす生き方は難しい問題だと思います。
人は自分に無いものを強く欲します。
お金のある人は時間や自由を欲します。
一人の自由を謳歌してる人は仲間やパートナーを欲します。
全てはバランスです。
あらゆる欲求をバランスよく満たす事ができるあなただけの理想のライフプランを考えてみてはいかがでしょうか。
もし世界一周をするにしても、可能な限りリモートワーク可能な副業(自分のペースでできるもの)を持っておくと旅と仕事のバランスがとれて精神的にも安定します。
【あとがき】それでも自由がほしい
「小難しいこと考えずに、とりあえず海外を旅しながらゆっくりしたい!」
「今の生活を抜け出し、海外の綺麗な海や自然に囲まれて、好きなように暮らしたい!」
この記事を読んでそう思われた方もいるかもしれません。
僕はそれもアリだと思います。
世界一周ではトルコのカッパドキアに1週間ほど滞在し毎朝、壮大な岩山が見えるカフェでコーヒーを飲みながら本を読んだり英語を勉強したり、ブログを書いたりしてすごく充実した時間を過ごしてました。
メキシコのカンクンでは毎日美しい海で波遊びをしてから、昼からタコスをたらふく食べ、ゲストハウスのプールサイドで本を読んでました。
東欧の小国では雰囲気のいいカフェが多くて、毎朝エスプレッソを飲み、夜からは少額で楽しめる教会でのクラシックコンサートに足を運んでいました。
パタゴニアでは雄大な山々でのトレッキング、湖畔ではサイクリングをしたりと本当に夢のような時間でした。
東南アジアにあるラオスの秘境・ルアンバパーンでは、メコン川を眺めながら、ゆっくりとした時間が流れていました。
南米のコスタリカでは国立劇場のカフェで、現地コスタリカのコーヒーをいただきました。
ニューヨークに行ったときは、セントラルパークでランニングしたり、夜景を見たりと観光を楽しみました。
アフリカのタンザニアでは大自然の中でキャンプ&サファリをして、野生の動物たちを間近でみることができました。
モロッコのサハラ砂漠では砂漠に沈む美しい夕日を長め、星降る夜の砂漠で焚き火を囲みました。
標高3,700mに位置するウユニ塩湖では鏡張りの大宇宙の中にいました。
ネパールのエベレストBCまでのトレッキング(合計12日間)は高山病に苦しめられました。
たぶん日本でずっと仕事をしていたら経験できないことばかりです。
この記事でも書いたように全てはバランスです。
フランス人は7〜8月に1ヶ月間もバカンス休暇をとります。
日本でいうバカンス休暇はGW、シルバーウィーク、年末年始で各1週間前後です。
1年間は52週間なので、労働:バカンス比は49:3です。
僕の理想はFIREを達成した状態で、1年間の半分くらいは世界中を転々として、半分は日本で仕事に集中するような生活です。
労働:バカンス比でいうと26:26(1:1)です。
これくらいが丁度いい気がします。
バカンスと言っても、海辺でのんびりする時間ではありません。
戦略的な休暇です。
価値観を広げる体験や、将来必要なスキルや知識を磨くための勉強、自分のビジネスを考えたり準備する時間でもあります。
日々、仕事に忙殺され自宅と会社の往復生活では大きな新しいチャレンジをしようという気力も体力も生まれません。(もちろんそれができちゃう人もいますが僕は無理です)
アイディアは移動距離に比例するという言葉の通り、海外にいるとインプットの量と質が変わるので、自分の生活ゾーンを転々と変えられる世界一周は本当におすすめです。
将来の自分に投資できる時間を沢山持てる人が、この先大きく飛躍するに違いありません。
そのための手段としてFIREは有効だと僕は思います。
人生は1度きり、本当にやりたいことに全力で挑戦しましょう!
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