【本要約】エッセンシャル思考/99%を捨て1%に集中

エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする

「マルチタスクよりもシングルタスクで集中力をアップしたい!」「あれもこれも手につけ複雑&混乱して何も完了できなかった…」というのは仕事でもプライベートでもよくあることです。

今回紹介する「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」(著者:グレッグ・マキューン/翻訳:高橋 璃子)は、そんなマルチタスクで複雑化する現代において、より集中するべきことを絞り、成果を最大化するためにどうするか?が事細かに書かれた全米ベストセラー本です。

本書320ページの中から特に大切だと思った部分を深堀りして、まとめてみました。


エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする

エッセンシャル思考とは?

エッセンシャル思考とは「より少なく、しかしより良く」を実現する生き方です。
逆に非エッセンシャル思考は「より多く、しかしより悪く」です。

ビジネスでも成果がでる重要案件に集中した方が評価され成功すると著者は伝えています。

99%の無駄を捨て1%に集中する方法

では、まず99%の無駄を捨てるところからいきましょう。

沢山の雑務や御用聞きをするのは、周囲から感謝もされて人の役に立っているという感情が湧き出るかもしれません。
しかし、それと引き換えに失うものもあります。
それは自分の限りある貴重な時間が奪われ精神的にも疲弊するという点です。

もちろん、Give & Takeの精神で”相手に与える”というのは、成功の近道でもあります。

そこで自分がこれをやる価値があるのか?と自問自答してみよう。
もしやる価値がないと思ったら断る勇気も必要です。
断る時は相手を傷つけない上手な断り方も同時に必要です。

上手な断り方〜断る事であなたの評価がアップ?

なんでもノーと断るのは上策ではありません。
相手と無益な摩擦を起こさず、関係性を壊さずスマートに断る方法として2つのアプローチがあります。

  1. ワンクッション型:即答せずスケジュールを確認して後で折り返す
  2. 逆提案型:今は忙しいので、来月はいかがですか?等こちらから提案する

頼まれごとはその場で即断即答せず、「スケジュールを確認させていただきます」と伝え、一度持ち帰った上で返信するのがスマートです。

断る場合の理由も、自己都合ではなく、相手、コミュニティ、組織、会社の立場にたって断ることで、納得してもらいやすくなります。
例えば、「これを引き受けることで、チーム全体で取り組んでいるこのプロジェクトの進行に支障がきたすので、来月○日以降なら協力させていただきますが、いかがでしょうか?」といった具合に。

一般的に断ると相手の期待に応えられず、マイナスな印象を与えてしまうと思っている人も少なくありません。
しかし、実際には断ることで、相手はあなたのことをプロフェッショナルでタイムマネジメントがしっかりできている人だと尊敬の念をもってくれると本書では書かれています。

一流の人は何でもかんでも安請け合いはしません。
そこには一流なりのポジションの取り方(断り方)が存在するからです。

マネジメント側にたつ人も極力、メンバー自身にスケジュールを決めさせた方が良い場合もあります。
一般的に自分自身で決めた事は、当事者意識が高まり、主体性をもって行動できるようになるからです。
メンバーを成長させるためにも、指示や要求をするだけでなく、提案してもらう事は大切なことです。

頼まれごと、Todoリストを整理してみよう

頼まれごとやTodoリストの整理は、クローゼットを整理する感覚に似ています。

クローゼットにいっぱい入ってると取り出すのに時間がかかる。しかし簡単に服は捨てられない。そこには感情の壁が存在するからだ。そこで捨てる時は感情を介さずオートマティックに捨てるという判断を下す必要がある。「この服は大好きか?」「頻繁に着るか?」「自分に似合っているか?」「またこれと同じ服を買うか?」などの判断指標を設けてみよう。

仕事やビジネスでもこの判断指標を明確化してみます。

  • 「これは成果を最大化できるのか?」
  • 「これは最優先でやるべきか?」

集中するべきは1%だけです。
最上位の判断指標においてイエスorノーをハッキリつけましょう。

自分で判断できない人は、他人の意思で生きることになる

短い人生において、自分は何がしたいのか?何を成し遂げないとか?そのゴールを明確にすることは、クローゼットを整理するように、時間も心のゆとりも手に入る。

エッセンシャル思考は「より少なく、しかしより良く」です。
「絶対にこれがやりたい!」と強くイエスと言い切れないものは全て切り捨てよと筆者は本書で伝えています。

考える時間と空間を定期的につくる

マイクロソフト創業者のビル・ゲイツは、本を読む時間や何をするべきか?を徹底的に考える時間を作っているそうです。
ビジネスにおいても、人生においても大切な決断は相手任せでは、他人の意思の中で生きることになります。

こういう場合、自分で考えて判断するという練習(量)が足りてないのかもしれません。
友人とご飯に行った時に相手に任せる人は要注意です。
お店を決めるなど、小さなことからでも良いので、自分で考えて舵を取る練習をしてみましょう。(もちろん相手とコミュニケーションをとりながら)

取捨選択には90点ルールを設ける

何か選ぶ時は90点のものだけを選ぶ。
70点や65点などギリ合格ラインは捨てる。

普段から「これは、やりたい度70点だな…」「これは、欲しい度50点だな…」と点数化してみましょう。
なぜこれに70点をつけたのか?など背景まで考えられると、より自分自身の決断に対して納得感をもたせることができます。

コンコルドの法則〜過去の損失を切り捨てる

エールフランス航空の超音速旅客機「コンコルド」は事故や不良が多かったにも関わらず、開発コストの面からなかなか”損切り”できなかった黒歴史があります。
過去の投資が巨額になればなるほど、いつかリターンが生まれると期待をして、なかなか損切りできないのは個人でも企業でも言えることです。

もう少し、実生活レベルに落とすと、意外と身の回りに”コンコルド”は存在します。
例えば損失を出し続けている株式や事業、お金と時間をかけて育っててきたソーシャルゲームのアカウントなど。
現在それは、あなたにとってプラスの成果なのかマイナスの成果なのか冷静に判断して損切りしましょう。
捨てることで新たな一歩となります。

パレートの法則〜8割の成果を出してる2割に集中する

ビジネスでもプライベートでも、やってみなければ分からないことは多いです。
だからこそ、期限や予算を設定して損失が出ているようなら思い切って結果の出ている方にシフトするのは成果を最大化させるためにも必要なことです。

実践として自分が投資してきた全てのものをリストアップしましょう。(例えば以下のような大きなカテゴリから細分化する)

  • 仕事
  • 株式
  • 人脈
  • SNS
  • スキル
  • 勉強
  • 習慣
  • スポーツ

プラスの成果を出しいてるもの、マイナスの成果となっているものを評価し、90点ルールで断捨離します。
そして成果を出している2割を最大化させるためにリソースを集中させましょう。

個人的にエッセンシャル思考を読んで感じた危険要素と対処法

エッセンシャル思考は捉え方によっては、本当にやりたいこと(自分にとって最も必要なこと)だけをやりましょう(それ以外は捨てましょう)と少々過激なメッセージも含んでいます。
日本社会では通用しない部分もあるかもしれません。

自分のレベルや視座を高くしなければ、集中するべき1%の判断がつかず、結局は無駄な努力をするために実は重要だった事を捨ててしまう危険性もあります。

これに対処する方法としては第三者からフィードバックです。
あなたが間違った判断をしていると、もし第三者から受けることができたら、その意見はとても貴重な意見です。

エッセンシャル思考を実践するにあたり、周囲に対してフィードバックを適宜求め、それらをしっかりと受け止め、考えることができれば、より精度の高いエッセンシャル思考が実践できるレベルに成長するに違いありません。

[あとがき]見積もりは自分の出したものから1.5倍で見積もる

最後に僕が本書を読んで、なるほどなと思った事を要約して終わりにしたいと思います。

最悪のルーティンは、「人によく思われたい」という理由で、実際にかかる工数や工賃より低く提案し、結果自分自身を苦しめ、後悔させ、またそれが叶わなかった時は周囲から評価が落ちるということだ。

相手が納期や価格を決めるのではなく、自分自身で納得したものを決めましょう。
しかし、それでも人は自分自身の事を安く見積もってしまう傾向があるようです。
だから、自分が設定したものからさらに1.5倍にすることを著者は推薦しています。

本書「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」はあらためて、自分が大切にする価値観を考える良い機会になると思います。
ぜひ続きは本書で詳しく読まれてみてください。
本書続編の「エフォートレス思考」もタイミングをみて要約したいと思います。


著者:グレッグ・マキューン
シリコンバレーのコンサル会社のCEO。アップル、グーグル、フェイスブック、ツイッターなどのIT起業でエッセンシャル思考やリーダーシップについてのアドバイザーを担当。スタンフォード大学でDesigning Lifeクラスなどを開講。


エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする

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