【本要約】自省録〜マルクス・アウレリウスの名言/承認欲求は無駄

「自省録」マルクスアウレーリウス著

プラトーンは哲学者の手にとって政治をゆだねるのが理想としていましたが、それが歴史上唯一かなったのが今回紹介する本の著者マルクス・アウレリウスでした。
マルクスはローマ皇帝の地位まで登りつめた哲人皇帝です。

公務の合間でも心にうかぶ思想や自省自戒の言葉を書き留めておいたものが「自省録」です。
他人に読ませるための書物ではなかったため、連続性がない断片的なものですが、マルクスの思想に触れられる名著として現代においても人気があります。


マルクス・アウレーリウス 自省録 (岩波文庫)

今回はそんな本書から名言を1つピックアップしてみました。

人間にとって賞讃とは便宜になるくらいが関の山

人は仕事でもプライベートでも人間関係で一喜一憂する生き物です。
自分の評判はどうだろうか?会社での評価は?家族や友人からどう思われているのか?誰しも気になります。
自省録を読んでいるとマルクスの死生観や皇帝であるが故の悩み(後世の歴史家が自身をどう評価するのか?)など深い思想に触れることができます。

例えば他人からの名声(評価)などいかに無駄で無意味なことか以下の通り書かれています。

死後の名声について胸をときめかす人間はつぎのことを考えていないのだ。
すなわち、彼をおぼえている人間各々もまた彼自身も間もなく死んでしまい、ついでにその後継者も死んでいき、燃え上がっては消えて行く松明(たいまつ)のごとく彼に関する記憶がつぎからつぎへと手渡され、ついにはその記憶全体が消滅してしまうことを。
しかしまた記憶する人々が不死であり、その記憶も不朽であると仮定してみよ。
いったいそれが君にとってなんであろうか。
いうまでもなく、死人にとって何ものでもない。
また生きている人間にとっても、賞讃とはなんであろう。
せいぜいなにかの便宜になるくらいが関の山だ。
ともかく君は現在自然の賜物をないがしろにして時機を逸し、将来他人がいうであろうことに執着しているのだ。

引用元:「自省録:マルクス・アウレリウス著」P56
※文中の「君」は皇帝マルクス本人に向けられています。

自省録には、人の人生は自然宇宙の中では一瞬であり、自分と同じ時に生を受けた者はいったいどれくらいすでにこの世から去っていたか、など「一万年も生きるかのように行動するな。」と書かれています。
自分が死んでしまえば、他人からの評価・名声・評判などというのは、全く何ものでもなく、生きているうちにそれらに悩むなんて全くバカげているということでしょう。

地位や名声を得る者こそ、それらに執着しないよう自戒の念が込められるのかもしれません。

承認欲求で人生を無駄しない

2021年世界幸福度ランキングによると、日本は146カ国中、55位でした。
1位はフィンランド、2位はデンマーク、3位はスイスと北欧諸国が上位を独占しています。

引用元:https://worldpopulationreview.com/country-rankings/happiest-countries-in-the-world

北欧諸国と比べると日本は「人生の選択の自由」が低い傾向にあります。
人生を自分で選択できない原因となっているのは、周囲からの評価や反応も1つありそうです。

和を重んじる日本人ならではのジレンマかもしれませんが、本当は定時で帰りたいけど、同僚が忙しそうに働いているのを見ると仕方なく自分も残業してしまう等はよくあることだと思います。

こういった小さな選択ですら自分で決めて行動できないのは、まさに他人からどう思われるかが心配だからです。
仮に自分を犠牲にして他人から評価や賞賛をもらい承認欲求が満たされたとしても、そんなものは便宜になるくらいだとマルクスは言っています。

承認欲求をなくすのは難しいかもしもしれませんが、他人からどう思われるか気にして行動できないような人生は歩みたくないものです。
おそらくマルクスが言いたかった事ではないかもしれませんが、想像力をかきたてられる思想は読み手によって解釈の幅が生まれます。

2000年という長い時間をかけても語り継がれるマルクス・アウレリウスの「自省録」は、現代の僕たちの心の糧になる一度は読んでおきたい古典的名著です。


マルクス・アウレーリウス 自省録 (岩波文庫)

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