乾季にビクトリアの滝をザンビア側とジンバブエ側から見た感想と写真解説
2018年10月〜11月にアフリカ縦断として、タンザン鉄道に乗り、ザンビアからジンバブエにまたがる「ビクトリアの滝」周辺を観光してきました。
このページでは、ザンビア側、ジンバブエ側の「ビクトリアの滝」の周辺観光に役立つ情報をお伝えします。
この記事の目次
ビクトリアの滝の概要とベストシーズンについて
南部アフリカ観光のハイライトの一つとされ、アフリカ縦断をする世界中のバックパッカーや旅行者が集まる場所・・・
それがジンバブエとザンビアの国境にまたがる世界三大瀑布の一つ「ビクトリアの滝」です。
幅は1.7km、最大落差は108mで、三大瀑布の中でも一番の落差です。
時期によって雨量が全く違い、乾季(5月〜10月)は水量が減ります。
特に9月〜10月は水量が年間を通してもかなり減るので、ベストシーズンを狙うなら雨季の4月〜5月頃が良いです。
ただし、あまりにも水量が多いと全身ずぶ濡れになるほど…。
1月〜8月の間が比較的観光に向いてるとされています。
ザンビア側・リビングストン市内からビクトリアの滝への行き方
ザンビア側から行く場合、観光の拠点になるのは「リビングストン」です。
「暗黒大陸」と呼ばれていたアフリカ大陸を横断したスコットランドの探検家の名前が由来の街です。
リビングストンにはハリー・ムワンガ・ナンブラ国際空港(LVI)があり、アフリカの各都市と結ばれています。
ただ、地方空港なので発着数が少なく、乗り換えなどが必要になる場合もあり、航空券のチケットも高いです。
※日本からの直行便はありませんので、乗り換えが必須になります。
リビングストン市内からビクトリアの滝までは8kmあります。
ゲストハウスやホテルによっては滝までの無料送迎サービスがあります。
僕が宿泊した「Fawlty Towers Backpackers」も滝の入り口まで無料送迎サービスがありました。
帰りは滝の入り口付近にタクシーが沢山待機していますので簡単に市内に戻ってこれます。
乗り合いタクシーの料金:15クワチャ(150円)
ビクトリアの滝へ通じるエントランス
ザンビア側のビクトリアの滝(入り口)の地図
ザンビア側のビクトリアの滝の入場料金:20USドル(2,600円)
ジンバブエ側・ビクトリアフォールズ市内からビクトリアの滝への行き方
ジンバブエ側から行く場合、観光の拠点になるのは「ビクトリアフォールズ」です。
ジンバブエと言えば年間2億3000万%のインフレ率を叩き出した国です。
現在は新紙幣に切り替わり、治安は安定しているようでした。
ビクトリアフォールズは世界中からの観光客が訪れる街なので、中心部は整備されて綺麗です。
市内にはビクトリアフォールズ空港(VFA)が市内から20kmほどの距離にあります。
国際空港なので、南アフリカのヨハネスブルグやナミビアのウィントフックといった周辺の大都市空港と結ばれています。
※日本からの直行便はありませんので、上記の都市等で乗り換えが必須になります。
ビクトリアフォールズ市内からビクトリアの滝までは徒歩かタクシーでのアクセスになります。
僕が宿泊した「Victoria Falls Rest Camp and Lodges」は滝まで徒歩で30分程度の距離にあったので、歩いて行きました。
ジンバブエ側のビクトリアの滝(入り口)の地図
ジンバブエ側のビクトリアの滝の入場料金:30USドル(3,900円)
ビクトリアの滝を観光する上で知っておきたいこと
服装はどうする?
Tシャツに短パンで十分です。
乾季なら濡れても服はすぐに乾きます。
人間はカメラと違って防水仕様なので、雨具などなくても平気です…笑
対してカメラやスマホは防水仕様のタイプか、しっかりとした防水ケースでの対策が必要です。
乾季の場合、ビクトリアの滝からの水しぶきは一番強いところでも小雨程度です。
外気温が40度近くにもなり、むしろ気持ちよく感じられます。
注意点としては、靴が重要です。
ザンビア側は比較的、岩場など誤って落下しないように柵や立入禁止の表示などありますが、ジンバブエ側の奥の方は断罪絶壁かつ、柵がない場所もあります。
足を滑らせれば100m下の岩山に叩きつけられ、一瞬であの世行きです。
なるべく滑らないKEENなどの質の良いトレッキングもできるスポーツサンダルがベストです。
濡れた岩場は大変滑りやすく、非常に危険です。
時期によって水量の違いはどれくらいある?
時期によって水量は全く違います。
こちらの比較写真をご覧ください。
豪快な滝を見たければ雨季(11月〜4月)が良いでしょう。
ザンビア側とジンバブエ側で滝の見え方は違う?行くならどっちが良い?
僕は10月末〜11月頭の乾季に両方行きました。
結論から言うと、乾季に豪快な滝を見たければ迷わずジンバブエ側(上画像)がおすすめです。
逆に乾季のザンビア側のビクトリアの滝は”滝”ではありません。
ただの”岩山”です(下画像)
チョロチョロと数本、勢いのない滝があるのみです。
とても世界三大瀑布の面影はありません。
雨量が減る乾季でも、ジンバブエ側は、迫力のある滝が見れます。
基本的に1日あればどちら側へも行けます。
ぜひ両方の滝を見て違いを堪能してください。
個人的には雨量関係なく、ジンバブエ側が良かったです。
ジンバブエ側が良かったと理由は4つです。
- 断崖絶壁を覗き込める絶叫スポット
- 水しぶきがかかるエリアの植物の多様さ
- インパラなどの草食動物が生息
- 滝が見えるビューポイントも沢山あり、乾季でも滝にかかる虹が見える
対して、ザンビア側は「フォトジェニックツアー」という看板を頼りに歩きましたが、まったくフォトジェニック感が他のルートと比較してあるわけでもなかったり、ヒヒが多く生息しており、狭い橋の手すりに居座って観光客の食べ物を狙っていたりと、若干怖いです。
滝はザンビア側の滝が少し見えるだけで、ほとんどが渓谷です。
それでも、迫力ある”地球の割れ目”という景観でした。
乾季のザンビア側は”滝”を期待しないほうが良いでしょう。
壮大なビクトリアフォールズ橋は必見!
ビクトリアの滝の見どころの一つは「ビクトリアフォールズ橋」です。
ザンビアとジンバブエを結ぶ、ザンベジ川に架かる巨大な橋です。
長さは250m、水面からの高さは128mもあります。
鋼鉄製のアーチ形状は、どこかクラシックな雰囲気すら感じられます。
完成は今から100年以上前の1905年。
設計はシドニーのハーバーブリッジを担当したイギリス人技師ラルフ・フリーマンで、大昔にこれだけの橋を作った当時の建築技術の高さを伺えます。
ちなみにビクトリアフォールズ橋からはバンジージャンプもできます。
過去にはオーストラリア人の女性がジャンプ中にロープが切れて川に転落する事故も起きています。
僕はスカイダイビングはしましたが、バンジージャンプだけは絶対にはやりません・・・笑
ビクトリアの滝を効率よく節約しながら観光するプラン
ここではバックパッカーが節約しながら、ビクトリアの滝を効率よく観光するための滞在プランをご紹介します。
南アフリカ方面へ南下する場合なら僕はこうします。
- リビングストン:好きなだけ滞在
↓ - ビクトリアフォールズ:1泊2日で切り上げる ※ビクトリアの滝は日帰り観光(徒歩で行ける範囲に宿泊)
↓ - ボツワナ方面に抜ける
とにかく物価が高い!ジンバブエ側のビクトリアフォールズ
観光客に人気なのはジンバブエ側の方です。
しかし、ジンバブエ側(ビクトリアフォールズ)は宿泊費、外食費共に高額です!
ジンバブエ側の物価の一例をご紹介します。
- ロッジのドミトリー:1泊で20USドル(2,250円)
- カフェレストラン1食:12USドル(1,500円)〜
- ファーストフードの小さなピザとドリンク:7.5USドル(980円)
- ペットボトルの水(500ml):1USドル(130円)
とにかく、ハイパーインフレーションにみまわれたジンバブエの物価は異常に高いです!
節約志向のバックパッカーは長く滞在するのはキツイです。
アメリカの片田舎のような綺麗な街!ザンビア側の「リビングストン」を滞在拠点に観光するのがおすすめ!
対して、ザンビア側のリビングストンはアメリカの片田舎のような綺麗な街にも関わらず、ジンバブエ側の半額以下の費用で滞在できます。
ザンビア側の物価の一例をご紹介します。
- ゲストハウスのドミトリー:8USドル(900円)
- ペットボトルの水(1.5ml):5クワチャ(50円)
- ファーストフードのフライドチキン:12クワチャ(115円)
- 1.5日分の野菜やパン、たまごなどの食料品10点:60クワチャ(580円)
リビングストンにはヨーロッパにあるような先進的かつ品揃えが豊富な大型スパーマーケットがあります。
対して、ジンバブエ側にもスパーマーケットはあるのですが、品揃え、価格の面で大きく劣ります。
ジンバブエ側は良くも悪くも雰囲気もアフリカっぽいスーパーマケットです。
僕はこの2都市両方行きましたが、長く滞在するなら120%リビングストンです!
その理由は居心地最高の素晴らしいゲストハウスが存在するからです。
次はそのゲストハウスをご紹介します。
1泊900円で高級ホテル並にくつろげる!リビングストンのおすすめゲストハウス
僕はリビングストンでは「Fawlty Towers Backpackers」というゲストハウスに宿泊したのですが、ここの宿がアフリカ縦断中で最もコストパフォマンスが高い宿だったのでご紹介します。
アフリカのゲストハウスに共通しているのは、敷地が広いこと。
ここも高級リゾートホテルの中庭か?と思えるほど広く、綺麗です。
プールも備えられており、とてもくつろげます。
内装もゲストハウスとは思えない高級ホテルのような家具やソファがたくさんあります。
トイレやドミトリーもとても清潔でした。
南京虫の心配もありません。
キッチンも広々使いやすく、調理器具や冷蔵庫も完備しています。
Wifiも時間帯によっては遅くなることもありますが、YouTubeも見れました。
なにより良いのはロケーションです。
徒歩2〜3分で、新しく大きなショッピングセンターが近くにあり、大型スーパーやファーストフード店、フリーWifiが使えるオシャレなカフェもあります。
リビングストンのバス乗り場や中心部まで歩いても15〜20分程度なので、全て徒歩圏内にあります。
ビクトリアの滝までは無料送迎サービスもありますので、観光の拠点に最適です。
唯一、欠点があるとするなら、蚊が多いことです。
ただし、これはどこに行こうと、この辺は蚊が多く生息しているので仕方ありません。
蚊は夕方から増えるので、夕方以降はベッドに避難して蚊帳の中で過ごせば問題ありません。
ちなみに僕は熱帯熱マラリアを発症しませんでした。
「Fawlty Towers Backpackers」へのアクセス
ザンビアからジンバブエへ〜世界三大瀑布・ビクトリアの滝を巡る旅行記
※以下文章は僕が毎日書いているプライベート用の旅行記をブログ用に再編集したものです。
感じたまま書いていますので、ご容赦ください。
実際に行かれる際に役立ちそうなミニ情報も入れてあります。
[1日目]アフリカ縦断中、最高のゲストハウス「Fawlty Towers Backpackers」に泊まる
ルサカからバスに乗ってリビングストンまでやって来た。
バス停から歩いて本日の宿「Fawlty Towers Backpackers」に到着した。
1泊1,000円以下では過去最高に居心地のいい宿かもしれない。
雰囲気はハワイの高級ホテルのようだ。
ここでは日本人の大学生に出会った。
お酒が好きで、ちょっとふっくらしている。
彼とは夜までお酒を飲んで旅の話をした。
ジンバブエの1USドルで買える安いお酒をわけてもらったがクソまずかった。
癖が強すぎる。
お互い、不味いと言いながら飲むのが面白い。
あとルサカに来てまた下痢がきた。
何度も何度もトイレに駆け込む。
ほぼ水。
いったい何を食べたのだろうか??
記憶にない。
自炊もしているし・・・
現地の水で歯磨きするのもやめたほうが良いかもしれない。
(下痢は2日で治った)
翌日はゲストハウス前のショッピングセンターの駐車場に面したネットカフェに行った。
久しぶりにエスプレッソを飲んだ。
220円。やはりアフリカは嗜好品は高い。
もちろん、このカフェのwifiも激遅い。
正直、これまでアフリカ縦断で感じたのは、アフリカでノマドワークはできないということだ。
隣接しているスーパーの品揃えは豊富だが、チョコレートなど輸入品は高級なのだろうか、とにかく値段が高い印象である。
逆に野菜など現地のものはそこまで高くない。
特に牛肉などは安い。
ザンビアはザンビーフが有名だ。
脂身が少ないのに柔らかく、 肉自体の旨味が楽しめるそうだ。
買って焼いて食べた。
確かに肉の旨味がして美味しい。
夕方になると日本人が一気に5人も増えた。
アフリカにいるアジア人は、ほとんどが日本人だ。
韓国人や中国人などの長期旅行者はまず見かけない。
ある意味で日本は多少長期で旅にでても問題ないという社会なのだろう。
どっちにしろ恵まれている。
[2日目]いよいよザンビア側のビクトリアフォールズへ行くも水が・・・ない!
朝、蚊が蚊帳の中にまで入ってきて、2個所も刺された。
マラリアに感染しないかガチで心配になる・・・。
早く無事にアフリカを抜けたいと切実に思う。
今日は午前10時に宿泊しているFAWLTY TOWERS LODGEにピックアップの車がきて、ビクトリアフォーズに向かう。
前日に宿の人にビクトリアフォールズに行きたいと行っておけばOKだ。
リビングストンの市内からビクトリアフォールズの入り口までは車で片道15分の距離。
ジンバブエとの国境はすぐそこだ。
入場料は20USドルかかる。
ゲートをくぐると、3つのルートに分かれている。
一番左側は「Best Photogenic Trekking」などと表示されているが、途中で行き止まりになるし、誰もいないし、ハズレ感が半端ない道。
景色もイマイチでそこまでフォトジェニックではない。
メインはゲート正面を進む道だ。
ここを進むと深い谷に架けられた小さな吊橋がある。
一人でここを歩いていると、突然2匹のヒヒが喧嘩しながら、すごい勢いで幅の狭い橋をめがけて全速力でやってきた。
こちらは逃げ場もないので、何か噛まれたりひっかかれないように、注意深く見てやりすごした。
本当に突然だったのでビビった。
猿など野生動物に襲われた場合、狂犬病感染のリスクが最も怖い。
その後、その2匹は橋の手すり部分に座り、人間の目線の高さに陣取っている。
その様子から、両岸の通行人は行き来できずに人だかりができる。
一つのグループが意を決して歩き始めると一斉に全員が歩き始める。
ヒヒたちも不思議そうな眼差しで人間たちを見る。
ヒヒと人間の距離は1mもない。
とりあえず無事に通過できた。
過ぎると、ビクトリアの滝というより岩山だった。
10月末の水量はわずかで、観光写真のような迫力ある大瀑布という訳ではなかった。
どちらというと、1〜3本小さな滝がある程度。
落差は最大で100mもあるので、決してガッカリスポットではない。
十分に岩山だけでも迫力はある。
これだけの岩山から滝が勢い良く流れているともなれば、すごい迫力なのは間違いない。
事前情報通り、乾季(10月末〜11月頭)は全く水がない。
滝というよりは切り立った渓谷を見に来た感じだった。
最後の右側のルートも見え方が違うだけで、滝は見えないので無理して行く価値はないかもしれない。
ビクトリアの滝からリビングストンの中心部まではタクシーで帰れる。
道路まで出ると、タクシー乗り場があり、1人15クワチャ(150円)で乗れる。
事前にホテルの人に料金を確認しておいたので、ドライバーにも15クワチャ?と確認したら頷いた。
しかし、15クワチャの客一人ではタクシーは走ってくれない。
4人来たら発車するそうだ。
10分も待つと見ず知らずの4人が集まり、市内中心部のタクシー乗り場まで行った。
このタクシー乗り場には、「Shoprite」という大型スーパーがある。
さらに、そのスーパーの隣には中国人が経営している雑貨店(上写真の右側店舗)がある。
ここでボツワナでのキャンプ用にテントを購入した。
ボツワナはホテルなどの宿泊費が非常に高い(1万円前後〜/1泊)ので、高級ロッジのキャンプ場にテントを持参し宿泊する。
テント泊なら1泊10USドルと格安だ。
雑貨店はイメージしていた店とは全く違い、セカンドストリートを1/10貧相にしたような店だった。
テントは店を入って一番右奥の棚に4点ほどあった。
一見、店構えからしてテントが売っているようには感じられないので、店主に確認すると良いかもしれない。
サイズは2種類あり、ひとり用の一番小さなものにした。
案外、かさばらずに軽いので、使い捨てと考えるなら良いと思う。
値段は150クワチャ(1,500円)
もし、仮にリビングストンでテントが買えなくても焦る必要はない。
ボツワナのカサネまで行けば、しっかりとしたスポーツ専門店がある。
そこには、ここより質の良いテント、寝袋、敷きマットが売っている。
僕はカサネで敷きマット(ヨガマット)を追加で買った。
(マットなしで直に寝転ぶと石が体に食い込み、寝れるものではなかった)
ゲストハウスに戻ると、日本人がほぼ全員チェックアウトしていて、少し寂しい感じだった。
みんな1〜2日で出ていく。
こんなに安くて居心地のいいゲストハウスもそうそうないし、ゆっくりしてもいいと思う。
なんだか先を越されていく感じがして嫌だが、別に人によって予算も日程も違うわけだから、気にしないようにしよう。
バックパッカーあるあるだが、瞬間的に知り合った旅人とインスタ交換をして、たまにその人のアカウントを覗くと、もうこんな所まで行っているのか!と驚くことがある。
それにしても暑い!
冷凍庫で冷やした炭酸水が美味しい。
あと冷凍庫で凍らしたミカンが超おいしい。
意外だが、アフリカには日本の冬にあるような、甘くてみずみずしいミカンがスーパーで大量に売っている。
とても暑いアフリカにおいて、みずみずしい果物が食べれるのは幸せだ。
[3日目]リビングストンからジンバブエに徒歩で国境超え〜ハイパーインフレを起こした国の物価は超高い!
10時にピックアップの車が来て、香港のおじさんと一緒にビクトリアの滝まで行く。
国境を歩いて渡り、ジンバブエに入国する。
彼は凄い。
48歳まで電力会社でエンジニアとして働き、早期退職をして折りたたみ自転車(ミニロペ)とギターを担いで世界中を旅している。
15年経っても貯金は半分しか使っていないそうだ。
今は63歳。
「世界一周に折りたたみ自転車か・・・」
全くそんな発想がなかった。
”そんなもの”を持って世界中を旅をしている人は初めて見た。
彼は日本語もかなり話せて、お金よりも健康が大切だと言っていた。
それを体現しているかのように、見た目は本当に若々しい。
とても63歳とは思えない。
そもそも、朝食に野菜や肉が大盛りでもられた皿を2皿と茹でたそばを食べていた。
体力、気力ともにおそらく30代の頃と変わらないのだろうと思う。
お金は一切心配していないとも言っていた。
中国には家もあるし、生活するだけならお金はそんなに必要ないとのこと。
”足るを知る”と言うが、自分にとって必要な物やお金をしっかり把握してるからこそ、好きなことに当てる時間も確保できるのだろう。
15年間も仕事をせずに旅を続けて、預金が半分しか減っていないというのは本当に凄い。
話はそれたが、ザンビアとジンバブエの国境はビクトリアフォールズブリッジで隔たれている。
ザンビアの出国審査前にブラックマーケット(闇の両替商)がいた。
正直、どうせこのクワチャもジンバブエに入ったら紙切れになると思っていたので、騙されてもいいくらいの気持ちでジンバブエ・ドルに両替した。
120クワチャで10ジンバブエ・ドル。
どうやら騙されたようだ。
半分程度だ。
ちなみにザンビアのイミグレの隣には正規の両替所があるので、ここを利用すれば良かった。。
いよいよ、歩いて国境を渡る
歩いて国境を超えるのは、はじめての経験だった。
歩くと言っても2km弱程度だ。
バックパックを背負っても余裕で歩ける距離だ。
ザンビアのイミグレは橋より手前にあり、ジンバブエのイミグレは橋を渡った先(500mほど)にある。
テントを買ったので、リュックが少し重い。
テント程度の重さなのに、あるとないとでは肩への食い込み方が全然違う。
荷物一つ一つは大したことなくても集合体になると、想像以上に重く感じる。
とにかく次回の旅はパソコンも含めて小型軽量を最重視以外の選択肢はない。
ジンバブエの小中学生の子どもたちと一緒に国境を渡った。
イミグレでシングルかマルチかのビザを聞かれて、シングルを30USドルで購入し、スタンプを押され終了。
ジンバブエに入ると、1ビリオンジンバブエ・ドル、10ビリオンジンバブエ・ドルと0が何個ついているか分からないような桁違いのお札を買わないか?という誘いを10回以上受けることになる。
ほとんど子供銀行レベルの紙幣だ。
全く価値がない。
ジンバブエは紙幣も新しくなり使えない。
その影響でKFCは休業していた。
張り紙には通貨変更に伴う休業と書かれていた。
日本に生まれて本当に良かったと感じる。
働ければ、普通に世界3大通貨かつ最強安定通貨として知られる”円”で振り込まれる。
もし、ジンバブエに生まれていたら、価値が不安定な通貨で将来に備えなければいけない。
(USドルなどに切り替えるなどするだろうが・・・)
事実、一生懸命に働いて貯蓄していたお金が、紙くずになった訳だから本当にいたたまれないだろう。
そんな過去にハイパーインフレを経験したジンバブエの街はどうだろうか?
ここビクトリアフォールズの街を歩いて感じたのは、物の値段が尋常ではなく高いということ。
ファーストフードのピザは一番小さなサイズで6USドル。
300mlの炭酸水が2USドル。
アフリカでこの値段はかなり高い。
レストランのブレックファーストは8USドル〜
ちなみにザンビアはフルブレックファストが3USドルだった。
3倍も高い。
500mlのペットボトルも1〜2USドルで、大型スーパーでは水のペットボトルが売っていない。
そして、レジが大混雑している。
客は紙に書いたコードのようなものをレジ打ちに渡して、レジ打ちはそれを一生懸命入力している。
クレジットカードの番号のようだ。
チョコだけ見てザンビアもヨーロッパに比べ2〜3倍高いが、ジンバブエはさらに高い。
小さくて質の悪そうな板チョコレートが300円くらいする。
もはや超高級品。日本人の自分ですら買えない。
だから、周りのジンバブエ人は何を買っているかというと、食パンだけだ。
とにかくほとんどの人は食パン(1kg)の一袋を持って、並んでいる。
正直、その光景を見て貧しい国だというのを感じた。
子供の物乞いもザンビアでは一切見なかったが、ジンバブエでは来てすぐ3回ほど会っている。
気の毒だったのが、大火傷をおった母親が小さな子ども2人を抱きかかえていた物乞いがいた。
とにかくジンバブエはバックパッカーにとっては色々な意味でキツイと感じた。
夜はピザを買って食べた。
美味しいが、炭酸水とセットで1,000円もする。
本日の宿は、一棟貸し切りドミトリーだった。
20人は入れそうな部屋だったが誰もいない。
見たこともない虫が部屋にいるが、気にしてもどうしようもない。
この日も徹底的に蚊よけスプレーで排除したつもりだたが、2個所さされた。
そして、蒸し暑さでなかなか寝付けない。
早く涼しいところに行きたい・・・。
[4日目]ジンバブエ側のビクトリアの滝は乾季でも水量豊富!
朝、起きて洗濯をしてパンとバナナ、リンゴを食べる。
リンゴはみずみずしく美味しい。
基本的にアフリカの果物は美味しい。
日中の暑さが嘘のように朝は気持ちいい風が吹いていて快適だ。
木々が風でゆれている光景はどこかの高原にでもいるようだ。
しかし、ここのwifiが絶望的に遅い。
まだザンビアは良かったということだ。
午後からビクトリアの滝に向かった。
ロッジから歩いて30分もかからない。
入場料は30USドルでクレジットカードでの支払いができる。
ゲートをくぐり、左側の道をずっと突き進むと、探検家・リビングストンの像がある。
さらに進むと、滝の源流となっている広大なザンベジ川を見ることができる。
ここには高さ100mはあろうかという巨大な滝がある。
轟音と共に勢いよく谷底に叩きつけられ、虹がでていた。
ザンベジ川を見るルートは途中で鉄柵に囲まれて、それ以降先には進めない。
引き返して、いよいよビクトリアの滝を見る。
11月はビクトリアの滝の水量は少ない。
ザンビア側はそれが顕著で滝というよりは、岩山だった。
しかし、ジンバブエ側は乾季でも水量が豊富で、同じ滝とは思えないほど迫力のある水しぶきが見れた。
ビクトリアの滝は一直線上に滝が連なっており、幅は1.7km、最大落差は108mにもなる。
世界三大瀑布の中でも一番の落差だ。
同じく世界三大瀑布の一つ、カナダのナイアガラの滝も見たが、滝やその周囲の自然も含めてビクトリアの滝の方が雄大な印象だった。
特に途中で水しぶきが大量に降りかかる通路があり、そこだけ植物も多種多様で、それを食べにインパラがやってきたりアフリカの大自然を感じることができる。
子供がそれを追い回そうとすると、びっくりしたインパラは走って逃げていった。
ビクトリアの滝の水しぶきを全身に浴びると、外が39度とは思えないほど涼しい爽快だった。
体感温度としては22度前後でとても過ごしやすい。
なんとなく、夏バテのような疲労感を感じていたが、植物がよく育っている生命力あふれるエリアは、人間にとってもパワーを全身に吸収できるような気がした。
不思議と体も軽くなった。
順路に沿ってジンバブエ側に歩いていく。
途中で超ワイドに広がる滝が見えるスポットがある。
まさに夏の長岡花火で見れるナイアガラの滝のようだ。
ジンバブエ側のビクトリアの滝が見えるエリアまできた。
やはりあちらは全く水が流れていない。
2本ほどチョロチョロと流れている程度。
リビングストン自体は街としては過ごしやすいが、乾季に関してはジンバブエ側まで足を伸ばさないと勿体無い。
ザンビア側の立入禁止エリアは柵で囲まれて入れないようになっていたが、ジンバブエ側は自己責任でどうぞと言わんばかりの断崖絶壁を体験できる。
本当に100m下の崖ギリギリまで行くことができる。
思わず「こ、こえ~」と声を漏らすほどだった。
吸い込まれるとはこのこと。
死のうと思えば5秒後に確実に死ねる世界がそこにあった。
さらに進むと、崖下の川まで降りれるアクティビティがあった。
ロッククライミングの逆だ。
費用は65USドル。
その他にもビクトリアフォールズブリッジからのバンジージャンプ。
実際にその橋を見ると、あまりの高さと巨大さから挑戦者の戦意を削ぐほどだ。
僕はスカイダイビングはしたことがあるが、バンジージャンプだけは絶対にしない。
ジンバブエのビクトリアリーフでwifiが早くておすすめのカフェレストラン
ビクトリアの滝を後にして、街に戻ると丁度17:00。
ここで街で一番オシャレなカフェレストラン「Shearwater Cafe」でディナーをとった。
コースメニューが15USドルだが、17:00〜18:00は12ドルで食べられる。
ファーストフード店のピザが1,000円もすることを考えると、多少高くてもここで食べた方が良いと思う。
コースの内容は選べる形式だった。
- 前菜(スープorサラダ)
- メイン(チキンor牛肉or魚、フラドポテト)
- デザート(チョコレーケーキorフルーツ盛り合わせ)
まずスープは生姜が聞いたトロトロのスープだった。
とても美味しい。
ガーリックトーストも付いていた。
メインはチキンをオーダーしたが、スパイスも絶妙で身もホクホク、皮もパリパリでとても美味しかった。
デザートのチョコレーケーキはクリーム感はなかったが、外側がカリカリのザラメのようなコーディングがされてあり、軽い感じのケーキだった。
ここはWiFiも早くて、屋内、テラス席と広々としており、多少長居しても問題なさそうな雰囲気だ。
ビクトリアフォールズでディナーをとるなら「Shearwater Cafe」はおすすめだ。
「Shearwater Cafe」へのアクセス
ビクトリアの滝を観光してみての感想
日本からだとなかなかアクセスしずらい場所にありますが、ナイアガラの滝と比べると、大自然の中にあり、周辺を散策する楽しさがあります。
滞在するならザンビア側のリビングストンが物価も安く、スーパーなども充実しているのでおすすめです。
ジンバブエ側は国境近くに滝があるので、ザンビアから日帰りでジンバブエ側に行くことも可能です。
ぜひ壮大なビクトリアの滝を堪能してみてください。