FIRE海外移住はハード?住むなら日本が一番と思ってしまう3つの理由

FIRE海外移住はハード?住むなら日本が一番と思ってしまう3つの理由

2024年のGWにコロナ禍があけて実に5〜6年ぶりに海外旅行をしてきました。

  • シンガポール
  • インドネシア(バリ島)
  • マレーシア(クアラ・ルンプール)

2週間かけて3カ国を周遊してきました。

目的はFIRE後の海外移住(日本と海外のデュアルライフ)の下見がメインで、アクティビティとしてサーフィンやランニングです。

バリ島のクタビーチにて。

5〜6年前は1年かけて世界一周をしたので、良い思い出ばかりが脳内再生されて、今回の旅の前も良い旅になるだろうという妄想が広がるばかりでした。

そして久しぶりに海外に行ったら正直かなりキツかったです。
バリ島ではお腹を壊して、死ぬ思いでマレーシアに移動したり、そこでも寝て過ごしたり、あらためて旅とは忍耐だと感じました。

海外に行くと日本が一番と思ってしまう理由とは?

個人的には高城剛さんのように、いくつになっても世界中を旅するように暮らすのは非常に憧れますし理想の人生です。
僕もサイドFIRE(55歳前後で早期リタイア)をして、体力も気力もまだ十分にあるうちに世界中を旅しながら暮らすのが夢です。(実際、1年間ミニリタイアをして世界一周をしたことは僕の人生において、非常に価値のある1年だったと今でも感じています)

バリ島で宿泊したリゾートホテル。

その一方で海外で体調を崩したというのが大きいのですが、「住むならやっぱり日本が一番だなぁ」と思ってしまいました。
日本での生活時間が長くなればなるほど、住み慣れるほど、そう思う傾向が強まるかもしれません。
日本での安定した平穏無事な生活は捨てがたいものがあります。

多くの動物には帰巣本能が備わっています。
例えば鮭は生まれた川で産卵をするために身を削るほどの激しい遡りをして生まれたところに戻ってきます。

実際、海外に長く住む人でも「老後は日本で暮らしたい」と思う人が多く、日本在住だったとしても、「住み慣れた我が家で最後を迎えたい」、「今住んでいる家(他人からみたらボロボロの家だったり団地だったりしても)を離れたくない」という人がほとんどです。

日本が一番と思う背景は「カルチャーショック」

カルチャーショックとは新しい文化・環境の中で、これまで慣れて来たやり方が通用しない状況でおきる戸惑いやストレスに対する、感情的、心理的、身体的反応のことです。

当然、このような状況下では慣れ親しんだ環境と比較してしまい、日本がやっぱり良いと思ってしまうのは自然なことです。

海外に行くことで変化する大きな要素は3つです。

  1. 環境
  2. 習慣
  3. 人間関係

1.環境〜日本には綺麗な空気と水がある

環境と一口にいっても様々な要素がありますので具体的な一例でご紹介します。
マレーシアのクアラ・ルンプールは自然と都会が共存した素晴らしい街ですが、コンドミニアムからの眺めると、1〜2キロ程度の先ですら霞んで見えます。
さらに遠くの山は霞んでいます。
僕が住む東京の自宅からは、15キロ離れた新宿の高層ビル群や、80キロ離れた富士山もハッキリ見えます。

マレーシアでは山焼きなどの灰で空が霞んでみることが多いようです。
また都市でありながら車中心なので、交通渋滞による排気ガスも東京などとは比較になりません。

コンドミニアムのジムから見るペトロナスツインタワー。遠くは霞んでいる。

水道水も基本的には飲めません。
綺麗なコンドミニアムですらもバスタブに水を貯めると茶色の水です。
正直、茶色のお風呂(温泉ではない)に気持ちよく浸かることはできないです。

クアラ・ルンプールの水道水は茶色の水。

あらためて日本は空気も水もきれいだし、実際に長く住むなら健康の土台となる、この2大要素の質は無視できないなと感じました。

2.習慣〜環境によって最適化された習慣や嗜好を変えるのは至難の業

長年、日本に住んでいると日本という環境で生活習慣が最適化&ルーティン化していきます。
例えば週末に温泉でゆっくりリラックスすることを一番の楽しみにしている場合、海外ではその楽しみを諦める必要があります。
いつも買っている飲料品や食品も質も値段も変わります。
早朝に屋外でジョギングを習慣化していても、空気汚染や交通状況によっては都市部では外を簡単に走れなくなる可能性もあります。

クアラ・ルンプール一の繁華街「ブキッ・ビンタン」。車の交通量が多く、歩行者用信号もなかなか青にならない。

普通にできていたことができなくなると、強いストレスを感じます。

3.コミュニティ〜バックグラウンドが共通かつ気心知れた人たち

僕は旅の魅力は一人になれることだと思います。
国内でも海外でも旅行するときは、だいたい一人です。
一人でいることで、外からの情報に対しても感度が高まったり、気付きやアイディアなども得やすいメリットがあります。

「働き方に生産性と創造性を取り戻す〜TIME OFF」(著者:ジョン・フィッチ・マックス・フレンゼル)では、多くの歴史的な偉人も一人の時間の中でアイディアを獲て、クリエイティブな活動をしてきたと記されています。
一人の時間は悪いものではありません、一人の時間の中で孤独を感じてしまうことが問題なのです。

しかし、ネイティブ並の語学力や卓越したコミュニケーション能力がある場合は別として、海外では孤独を感じてしまいがちです。
そうなると、日本での何気ない会話や雑談が楽しめる親しい友人の存在は想像以上に大きいものとなります。
人は共感の上に親密度などの関係性が成り立っています。
共感は民族的な考え、教育、育った環境、時代背景、境遇など様々な各個人のバックグラウンドが影響します。
そのバックグラウンドの共通項が多けば多いほど、共感しあえて親密度も高まります。

海外で孤独であると自覚し、その原因や責任を環境のせいにしてしまうと、親しい関係性が作りやすい日本の方が良いと思ってしまいます。

海外移住はこれまでの生き方をアップデートできるチャンス

バリ島の美しいクタビーチ。

日本の常識は海外では通用しない可能性がありますし、環境が変われば行動や習慣も変わる可能性が高いです。
日本での生活ルーティンや習慣を海外で再現するよりは、海外の環境に合わせて再構築するくらいの考えで柔軟に対応した方が良いと思います。

ある意味で海外移住は「人生3.0」くらいのメジャーアップデートです。
一度全てリセット&枠組みから捉え直す覚悟は必要かもしれません。

結局、住む国(場所や環境)よりも、そこで何をするか?が重要

今回、マレーシアのコンドミニアムで過ごしてみて強く感じたことがあります。

それは豪華な住環境に住むだけでは満足できず、むしろ人生を無駄に浪費しているという感覚でした。

レンタルしたコンドミニアムには5階に大きなプールやサウナ、最上階の38階ルーフトップには180度の視界で摩天楼が見渡せる豪華なジムまでありました。
地上階にはコンビニまで併設しています。
外に出なくても施設内だけで快適に過ごせるレベルです。
(むしろ街に出る気を無くさせるほど)

コンドミニアムの最上階のジムスペース。
コンドミニアムのプール。

こんなところに住めれば幸せだろうなぁと日本にいた時は思っていましたが、実際には窓から見える景色もすぐに慣れてしまいますし、何か打ち込めるプロジェクトなどを持ってなければ、基本的には部屋でやることは、日本にいたときと同じような動画やネットサーフィンなどで差はありません。

結局、住む国(場所や環境)よりも、そこで何をするか?をセットで考えないと海外で引き籠もるような生活になりかねません。
ただ、これは人によって意識の差はあるかもしれません。
仕事で鬱になり、FIRE後は中国の「寝そべり族」のように、生きるだけの最低限の生活でもう良いという人もいるかもしれません。
僕はインプットとアウトプットのバランスを重視しているので、ただ生きるだけの生活では人生の張り合いがないなぁとは思います。

FIRE後に海外移住したい人は現役時代から早めにプチ移住体験しよう

老後や早期リタイア後に海外移住を考えている人も多いと思います。
憧れだけで海外移住をしても「イメージと違った」と思ってからでは、退職などしていると、なかなか後戻りが難しいです。

なるべく多くの国を旅したり、コンドミニアムなどをレンタルして短期間でも良いのでプチ移住をして現地での生活を何度も体験しておくことでギャップを感じることがなくなると思います。

僕は日本での生活拠点を手放して、海外移住でリタイアメントビザや永住ビザなどを取得して長く暮らすというよりは、日本と海外の二拠点生活がバランス的にも良いという結論に至っています。

そういう意味ではまず、日本のどこに生活拠点を置くか、早期リタイアまで決めておく必要があります。
この数年は、東京で暮らしながら将来の住みたい移住先として札幌、鎌倉、宮崎、広島、大阪、京都、滋賀、福岡、熊本、大分、沖縄など全国を転々と旅してきました。

旅するのと住むのとでは違うと思うので、やはり自分に合ってそうな都市に長めに滞在したいですね。

もし、あなたも行ってみたい場所への引っ越しやノマド的なライフスタイルを望んでいるなら、まず手始めにホテルのサブスクサービスなどを利用するのも手です。

例えばhotelpassは敷金・礼金・審査なしで月額6万円代で東京や大阪、京都、福岡など大都市圏のホテルを自由に宿泊しながら生活できます。

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