コロナ自宅療養の鬱/寝てばかりでやる気が起きない3つの対処法

コロナ自宅療養の鬱〜寝てばかりでやる気が起きない3つの対処法

経済協力開発機構(OECD)の調査によると、多くの先進国で新型コロナ拡大の前後で、鬱(うつ)病とその状態の人の割合が2~3倍に増えたそうです。

僕もコロナウィルスに感染して、トータル10日間の自宅療養でメンタルがやられて、鬱のような症状を感じました。

この記事では僕のコロナ感染による自宅療養とその後の鬱症状と改善に至ったシンプルな3つのアプローチ方法をメンタルヘルスケア書籍など各種エビデンスと一緒にご紹介します。

僕のコロナ感染と鬱

2022年8月についに新型コロナウィルスに感染してしまいました。

週2日の完全在宅ワーク、週3日の時差出勤、週末も都心の人混みを避けるように多摩や埼玉の山をトレイルランニングして過ごすなど、感染対策をしてきたのですが、どこで感染したか全く身に覚えがなく突然、頭痛、発熱、吐き気、倦怠感、呼吸が荒くなるなど一気に体調悪化しました。

熱も38.5度以上が4日も続き、最初の2日間は食欲がゼロで固形物を一切受け付けず、水とウィダーinゼリーだけで過ごしました。

休むにしても、休むという行為そのものが辛く、横になっても頭痛が酷くなる感じがしたし、座っていてもゼイゼイと荒い呼吸でキツかったです。

寝ることも座ることもできない───1分という時間が少しでも早く過ぎて、体がよくなることを祈るのみでした。

人生でここまで長期間、寝てばかりの日々はありませんでした。

おまけに後遺症のようなものとして、味覚障害が出てきて、最初は水すら甘く感じ、その後は何を食べてもものすごく、味が濃いというかしょっぱく感じました。

それが落ち着くと、今度は嗅覚異常です。

匂いの感じ方がとても弱く、コーヒーを試しに淹れてみたら、工業用ボンドのような匂いがして、全くコーヒーから良い香りがしません。。
正直、コーヒーは自分にとっては大切な毎朝の習慣で楽しみだったのでショックでした。

嗅覚異常って完全に治るのかな?と不安でした。

咳も酷くて外出もできず、ずっと部屋の中で自宅療養しながら仕事と寝てばかり過ごしていたら、何もやる気が起きなくなり、鬱のような感じになりました。

生きるという事に意味を見いだせず、いったい何が楽しくて生きているんだろう?
人生って何だろう?生きるって何だろう?
自分のこれまでの生き方はこれで良かったのだろうか?

趣味のランニングもできず、味覚嗅覚障害でコーヒーも食事も楽しめず、自分のささやかな生きがいがなくなった感じでした。

などと、考えば考えるほどネガティブ思考に陥りました。

やる気が起きない原因は自宅療養そのもの

僕が振り返ったときに感じる「やる気が起きない」原因というのは自宅療養(寝てばかりの生活)にあると感じました。

ここでいう”寝る”というのは、一日中、ベッドで横になって過ごすようなものも含まれます。
実は人は寝すぎると認知機能の低下、頭痛、倦怠感、肥満などあらゆる健康・死亡リスクが悪化することが報告されています。

寝すぎが健康に及ぼす影響:https://banno-clinic.biz/oversleeping/

体と心をつながっている事からも、体の不調は心の不調に影響してきます。

僕も自宅療養中、何もすることがなく寝てばかりの生活を続けた結果、1週間もしないうちに体だけでなく心が荒んでいく感じがしました。
ただそれが分かっていても、何もやる気が起きないし、何もしたくないから寝てばかり、寝てばかりだから、さらにやる気が起きないという負のループです。

ストレスを感じたら蓄積させない事

寝てばかり→やる気が起きない→また寝るの無限ループは体の不調から心の不調へのつながり、知らず識らずストレスが蓄積していきます。

ストレスは負債のように、どんどん蓄積していくと考えられており、ストレスが限界突破すると心が壊れ、何もないのに涙が溢れたり、それまで大切にしていた事など全てどうでも良いように感じてしまいます。

ストレスを感じたら、蓄積せず、なるべく早く軽減できるアプローチが大切です。

多少、体がだるかったとしても、寝てばかりの生活からいち早く脱出するのが、その後のコロナ鬱を引き起こさない対照法です。

自分が不幸であるとか、恵まれていないとか感じると、さらに自ら不幸になる方を選択して、自分自身をさらなる不幸に落とし込んでいる場合もあります。

これは誰かにSOSサインを出している、自分が苦しいことを周囲に理解してほしいという現れでもあります。
相談できる相手がいない場合もありますので、早めに医師に相談した方が良いかもしれません。

アプローチ1:バイオフィリア効果によるストレス軽減アプローチ

美しい自然

バイオフィリア効果とは、五感で自然と触れ合うことで、ストレス軽減や集中力向上など、心身にプラスの影響をもたらす効果のことです。

千葉大学の宮崎教授は2004年から数百人によるバイオフィリア仮説に基づく森林セラピーの調査を実施したところ、森の中をゆっく散策すると都会を歩いている時と比べ従来ストレスホルモンとされているコルチゾール値が16%も下がると発見した。さらに交感神経の活動が4%、血圧が1.9%、心拍数も4%下がった。定性的な調査でも不安が軽減して、気分が良くなったという結果が出た。

引用元:「NATURE FIX自然が最高の脳」P39

10日間などの自宅療養期間が終了して、他者に感染させるリスクがなくなった段階で、公園など近場にある自然に足を運んでみてはいかがでしょうか。
できれば月5時間・1日30分以上が効果的であるとされています。

コロナ回復期においては、体のケアだけでなく、心のケアもとても大切です。
ある程度、体力が回復した段階で自然を身近に感じれるソロキャンプに出かけても良いかもしれません。

ちなみに自然の中で過ごすことで、嗅覚なども研ぎ澄まされるようです。
僕の場合、コロナ後遺症で嗅覚異常を感じましたが、自然の中を走ることで、今はコーヒーの香りも少し感じれるほど改善してきてます。

トレイルランニングは最強のストレス解消法

トレイルランニング

僕はコロナ感染前はよく、自然公園や里山などでトレイルランニングをしていました。
山や森など一人で走るだけでも、とても気分が良くなるのを感じていました。

逆にそれができなくなることで、強烈なストレスを感じたのも事実です。

ランニングはエンドルフィンやフェネチルアミン、セロトニン、ドーパミンといった脳内物質を多く生み出すことからも、合法の麻薬に近いものがあります。

コロナ感染して2週間も運動をやめて寝込んでいたため、走る体力・筋力が落ち込んでいること自体も、かなり気分が落ちた理由の一つです。

それでも、ゆっくりでも良いからいつものお気に入りの自然路を1時間半走ったら、気持ちがとても晴れ晴れして、コロナ鬱のような症状が緩和されたのを感じました。
バイオフィリア効果×運動(ランニング、ウォーキング、自転車)を試してみてはいかがでしょうか?

アプローチ2 :人と話す

他者とのコミュニケーション

米マサチューセッツ大学老年学部のジェフリー バー教授によると、孤立は多くの場合、孤独感や不安、ときには抑うつ状態などのマイナスの影響をもたらすと警鐘を鳴らています。

コロナでの自宅療養は他者との接触を絶たれた孤立状態となります。
特に一人暮らしの場合、体調不良でも誰からも助けてもらえず、自分はなんて孤独なんだと一層強く感じます。

友達もいない、家族もいない───こんな自分は生きている価値があるのか?とネガティブ思考へと陥ってしまいます。
でも人間はこの地球上に一人ではありません。

きっとあなたと話をしてくれる誰かがいます。
人と距離を置き始めると、自ら心の壁を作り、他者と距離をとってしまいます。
それはとても不幸なことです。
不幸を自ら作り上げても、良いことはありません。

自分の気持ちを理解してもらえなくても、他愛もない話でもいいから、自宅療養期間が終わったタイミングで人と話す機会を作ってみてはいかがでしょうか。

アプローチ3:コロナ感染前に好きだった事をやる&新しい挑戦を始める

読書

コロナ感染前に好きだった事、これをやると気分が上がるというものを全て書き出して、やれるものから再開してみてはいかがでしょうか。
結局、コロナ感染を機に気分が落ち込んでしまった理由は、感染前にできていた事ができなくなったというのが大きいと思います。
自分自身のご機嫌は自分でとるしかありません…。

気分が上がることリストの例

  • 一人カラオケに行く
  • スィーツやピザを爆食いする
  • ランニングする
  • コンサートに行く
  • 友人と飲みに行く
  • 勉強する
  • ブログを書く
  • 読書する
  • 日常の何気ないシーンを写真撮影する
  • 旅行に行く(旅行の計画を作る)

1点、注意があるとすれば気分が上がるリストに挙げたものがコロナによる体の不調でできないと、気分が上がるどころか逆効果にもなりかねないので、基本的にある程度、体の不調が回復してからの方が良いかもしれません。

またできなくなったこの機会に、自分は本当は何が好きでやりたいのか?を再考できる機会と捉えると気分も前向きになると思います。

例えばコロナ感染を機に新しく何かを始めてみるのも手です。

コロナに感染したことで、失うことばかりにフォーカスすると、後ろ向きな気持ちになります。
以前から新しく挑戦してみたかった事があれば、それを初めてみる絶好の機会です。

未来のあなたが過去を振り返った時、「あの当時はコロナに感染して心身ともにとても辛かったけど、おかげで○○を始めることができた」と思うことができたら、きっとコロナも人生において意味のあった事としてポジティブに捉えることができます。

良いことも悪いことも、起こる全ての出来事は今の自分にとって大切なこと、必要なこととして捉えてみてはいかがでしょうか。

【最後に】やる気はやる前には絶対に起きないもの

やる気って起きませんよね。

やる気は、そもそもうまくいっている時に増幅されるものなので、ゼロやマイナスからやる気を高めてスタートするという事自体が難しいです。

僕もコロナ感染で体力が落ちて、大好きだったトレイルランニングなど全くやる気が起きなくなりました。
もうあんなに元気に飛び回れる力はない…もうどうでも良いやみたいな自暴自棄になりました。

やる気はもとより、生きる事自体への気も落ち、本当にここ数年で一番落ち込みました。

例えばブログ更新なんかも、やる気がでないときは更新が1ヶ月止まります。
でもやる気があるときは毎日更新できます。
毎日更新できている達成感が、次のやる気を生み出してくれます。

だから、やる気がない時の対処法は、意思に反してでも無理やりやるが効果的です。

例えば全然やる気ないけど、1分だけやってみるみたいなアプローチです。

筋トレやダイエットもやるが気ない時、最初は馬鹿らしくなるくらい小さな一歩が大切です。
まずは腹筋1回するみたいな───。

やる気が起きない時こそ、小さく初めて、その小さな一歩ができたことを自分自身で褒めてあげることで、次への一歩につながります。

勉強もやらないと、できなかった自分への自己嫌悪と罪悪感を感じますが、今日1ページだけでも本を開いて読めたという達成感は自己肯定感につながります。

やる気のない段階では、やる量や質、レベルは一切問いません。
まずは行動できたことにフォーカスして自分自身を大いに褒めてあげましょう。

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